バトルロボットトーナメント試合規則  (pdfファイル)(11KB)    


第1章 試合の定義
第1条 試合は、試合者(1台のロボットに付き原則として4名でチームを組み、キャプテン・ドライバ ・エレキ・メカニックを登録する。)双方が試合規則(以下「この規則」という。)に従って、定められたリング内において独自に製作したロボット(無線式手動操縦=ラジコン型ロボット〔以下「ロボッ ト」という。〕)を用い、審判の判定によって勝敗を決めるものとする。

第2章 リングの規格
第2条 リングは高さ5センチメートル、一辺180センチメートルの木製板の上に黒色の硬質ゴム(あるいは天然ゴム)を張り合わせた正方形とする。
2 リング内には、不定形で高さ5センチメートル以内の小丘陵を、5個以上設置する。
3 リングコーナー4カ所には、直径5センチメートル、高さ25センチメートルで、赤・白・青・黄に彩色された支柱を立てる。その支柱の中心線に沿ってリング上面より高さ10及び20センチメートルの箇所にロープを張るものとする。
4 リング内外の区画線は、幅5センチメートルの白色線(白色線上はリング内)とする。
第3条 リング内とは、白色線で囲まれた部分をいい、リング外とは、余地部分をいう。その他を場外という。
第4条 リングの正方形外周より5センチメートル以上離れた余地を設ける。ただし、余地の色は、白色以外とし形状及び材質は、この規則の精神を損なわない範囲で自由とする。

第3章 ロボットの規格
第5条 外形は、幅25センチメートル、奥行き35センチメートル、高さ自由の四角形の枠内に収まることとする。ただし、試合開始後ロボット本体、付属部品等が伸縮することは、反則にならないが、本体が複数個に完全分離した形状は反則とする。 2 ロボットの質量は、3,500グラム以内とする。
3 ロボットの操縦には、本競技大会実行委員会が規定するコントローラを用い、ロボット1台に付き1台とする。
4 ロボットの移動には、脚構造を用いるものとし、その主駆動に使用するモータ及びギア・ボックスは、提供されたもの以外は、使用禁止する。
5 ロボットには、アームの機構を備えるものとする。駆動機構を有し、機構・動力は自由とする。アーム作動面は、初期姿勢においてリング上面より20センチメートルの高さとする。
6 周波数設定用受信クリスタルは、ロボットの外部から容易に交換可能な位置にセットする。

第4章 禁止事項
第6条 故意に妨害電波等を発生させ、相手のコントロールを乱してはならない。
2 脚裏にリング上を傷つける滑り止め類及び汚す部品等を使用してはならない。
3 液体、粉末及び気体を内蔵した吹き付ける装置をセットしてはならない。また、発火装置は、これを 内蔵してはならない。
4 物を飛ばす、投げる等の装置をセットしてはならない。
5 駆動機構に必要な液体、気体等を内蔵することは妨げないが、試合中にこれを補充、交換してはならない。
6 この他、相手のロボットを故意に壊す装置をセットしてはならない。

第5章 試合の方法
第7条 試合は、予選トーナメント(以下「予選」という。)と本選トーナメント(以下「本選」という 。)により行われ、予選は1試合1ラウンド1本勝負、本選は1試合3ラウンド3本勝負とする。
2 予選、本選とも決められたラウンド内に勝敗が決しないときは、延長戦を行う。
第8条 敗者復活戦を行うこともある。

第6章 試合時間
第9条 試合時間は、予選においては1ラウンド3分間とし、本選においては1ラウンド3分間で3ラウ ンド計9分間とする。延長戦は予選、本選とも3分間とし、予選は計6分間を本選は計12分間を原則とする。
第10条 審判員が何らかの判断で試合中止の宣告をし、試合再開までに要した時間は、試合時間とみな さない。

第7章 試合の開始・中止・再開及び終了
第11条 試合は、試合者双方が審判員の指示に従い、リング場外で立礼した後リング上の所定の位置( 赤及び青コーナー前)にロボットを置き、リングの所定位置へコントローラの操作によりロボットを移動させ、再度各コーナー前まで戻し、次項の方法で開始される。
2 審判員の開始の通告で、コントローラの操作を開始することによって試合が開始される。
第12条 試合は、試合中の審判員の中止の通告で中止し、再開の通告で再開する。
第13条 試合は、審判員の勝敗の宣告で終了する。

第8章 修理
第14条 修理とは試合によるロボットの故障及び破損箇所について、これを試合開始の状態と同等に復元することを言う。
2 試合者は、試合中止の宣告から試合再開までの時間、ラウンド間、及びラウンドと延長戦の間に修理を申請することができる。
3 修理に要する時間は申請があった時点から計測し、1試合を通じ試合者双方とも累計各5分間以内とする。

第9章 勝敗の定義
第15条 試合は、ラウンド内に相手を倒すか、リングを囲むロープに5秒間相手を押さえ込んだ方に1本を与える。
2 予選においては1ラウンド内、本選においては3ラウンド内に、勝敗が決しないときは、延長戦を行 い、先に1本取った者を勝ちとする。ただし、判定により勝敗を決める。あるいは、取り直しをすることもある。
3 判定により勝敗を決した場合は、その勝者に対して1本与える。
4 試合開始時間に遅れた者は、不戦敗とする。
第16条 第7条の3本勝負とは、3ラウンド内に2本先取した者を勝ちとする。ただし、勝敗が決しない場合は、有効等ポイント数が多い者を勝ちとする。
第17条 次の各号の場合を有効とする。
(1)相手のロボットの本体を適法な手段でロープに押し付けた場合。
(2)相手のロボットが、何らかの理由でリング外の余地部分に接触した場合。
(3)戦意無しと見なされる行為(30秒間移動動作を停止)をした場合。
第18条 次の場合を1本とする。
ラウンド中に有効を2つ取得したロボットには、1本を与える。ただし、前条の有効は、各ラウンド毎に積算する。
第19条 判定により勝敗を決する場合は、次の各号の順で判断する。
(1)試合中の反則の数。
(2)ロボットの動作等の技術力。
(3)当該ロボットチームの試合中の態度。
(4)コイントス。(前1号から3号の順による判定が困難な場合)
第20条 次の各号の場合は、試合を中止し取り直しとする。
(1)双方のロボットが接触した状態で30秒間歩行・走行を停止した場合。
(2)双方のロボットが接触しないままリング上を30秒間停止又は歩行・走行をした場合。ただし、 一方が停止状態の場合は、戦意無しと見なし歩行・走行していた方を有効とする。
(3)双方のロボットが同時に有効となった場合。

第10章 反則
第21条 試合者が第5条第1項、第6条及び次の各項の行為を行った場合は、反則とする。
2 試合者が相手または、審判員の人格を無視するような言動及び当該ロボットに同様な音声発生装置を内蔵したり、文字を書き込んだりすること。
3 第11条第1項の規則による移動を行わない場合。
4 試合中にリング場内に入ること。ただし、審判員から有効の宣告、中止等の通告を受け当該ロボットをリング場内外に移動する場合を除く。 なお、リング場内に入るとは、試合者の身体の一部が完全にリング場内に入ること、及びリング場内に 工具等を入れてロボットを支えることをいう。
5 試合中、正当な理由がなく試合の中止を要請すること。
6 再開時間が30秒を超えること。
7 審判員の試合開始の通告前にロボットの動作を開始させること。
8 その他、試合の公正を害すると思われる行為をすること。

第11章 罰則
第22条 第5条第1項、第6条及び前条第2項の反則を犯した試合者は負けとし、審判員は退場を命じる。
2 前条第3項の反則を犯した試合者は負けとする。
3 前項・前々項については審判員は、相手側に予選については1本を、本選については2本を与える。
4 前条第4項から第8項の反則行為を犯した場合、1回毎に反則とし2回犯したときは、審判員は相手 側に1本を与える。
第23条 第21条第4項から第8項の反則は、1試合を通じて積算する。

第12章 試合中負傷又は事故が生じた場合
第24条 試合者は、試合中に負傷したり、ロボットの事故等のため試合を継続することができなくなっ た場合は、試合の一時中止を要請することができる。
第25条 負傷及び事故によって試合が継続できないときは、その原因が一方の故意及び過失による場合 は、その原因を起こした方を負けとし、その原因が明瞭でないときは、試合不能者又は試合の中止を申出た者を負けとする。   
第26条 負傷及び事故で試合を継続することの可否判断は、審判員及び大会実行委員の総合判断によるものとし、その処理に要する時間は5分とする。   
第27条 第25条の勝者は、予選の場合1本勝ち、本選の場合2本勝ちとして記録される。また、延長 戦の場合は、予選、本選とも1本勝ちとして記録される。ただし、これによる試合敗退者がすでに1本もしくは有効を取っていた場合は、その旨記録する。                

第13章 異議申立て
第28条 審判員の判定に対し、だれも異議申立てすることはできない。
2 この規則の実施に関して疑義がある場合は、その試合終了までに当該ロボットチームのキャプテンは、大会実行委員会に対し異議の申立てすることができる。

第14章 審判旗等の規格
第29条 審判旗は、25センチメートル四方の布地で、直径1.5センチメートル、長さ35センチメートルの柄に取付けたものとし、赤色及び青色の2本を用意する。   
第30条 ロボットの標識は、赤コーナーの待機者は赤色、青コーナーの待機者は青色として直径2センチメートルのシールをロボット本体の2カ所に貼付する。

第15章 その他
第31条 大会の規模、内容等の改訂事情がある場合には、この規則の精神を損なわない限り、これによらないことができる。
第32条 大会参加者及びその関係者は、大会の基本精神を尊重し、不適当な表現を行わないものとする。
第33条 この試合規則のほか、必要な事項については、第9回かわさきロボット競技大会実行委員会の 決議によりこれを定める。