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平成22年度商業団体補助制度等合同説明会開催 [2010.7.15]

平成22年7月15日(木)川崎市産業振興会館で、商業団体補助制度等合同説明会が開催されました。
ここでは国・神奈川県・川崎市の各担当者から、商店街振興策とあわせ補助金の各制度についての説明がありました。

1:国の商店街振興施策について

説明:関東経済産業局産業部流通サービス産業課商業振興室・長澤 理香氏

地域商店街活性化法について

「地域商店街活性化法(正式名:商店街の活性化のための地域住民の需要に応じた事業活動の促進に関する法律)」は、商店街を「地域コミュニティの担い手」として捉え、住民ニーズに応じた取り組みを総合的に支援する法律です。
これまでとかく“ハード“に偏りがちだった支援策から、商店街が地域で担ってきた「コミュニティの担い手」といった役割に注目し、2009年8月1日に施行されました。平成22年7月15日現在で、関東経済産業局管内で15件、全国では45件が認定されています。(川崎市では川崎大師表参道商業協同組合が認定)

支援策の内容として、認定された取組には「中小商業活力向上事業費補助金」の補助率が最大2/3となります。その他、商店街内の遊休土地譲渡を促進させる税制措置として当該土地等の譲渡所得から1,500万円の特別控除、また、小規模企業設備導入無利子貸付の貸付割合1/2から2/3になる等があります。また、地域商店街活性化法の認定を目指す商店街等への支援として(株)全国商店街支援センターが設立され人材研修や交流事業等のサポート等を行うなど、補助金・融資・税制・人材育成等総合的なものとなっています。(各支援措置活用には別途申し込み審査が必要)
商店街活性化事業を計画するにあたっては、地域住民の需要に応じた事業であることが必要であり、該当する商圏等でのアンケート等によるニーズ調査など客観的データでの裏付け等が必要となります。その他、商店街を活発化させる事業効果が見込まれること、他の商店街に参考となるもの(新規性)が必要となります。
関東経済産業局では、随時受付(認定については審査会のタイミングによる)をしていますが、「審査に当たっては、商店街のある自治体から意見聴取を行うため、事前に県市へも相談して下さい」とのことでした。

支援措置1−中小商業活力向上事業費補助金について

商店街等ににぎわいを創出し、中小商業の活性化を図るとともに1.少子高齢化、2.安全・安心、3.低炭素社会構築・環境・リサイクル、4.創業・人材、5.地域資源・農商工連携、6.生産性向上・新技術活用等、社会課題に対応した商業活性化の取組を支援するものです。
対象事業は、例えば一般利用向けの教養文化施設の整備、省エネ型アーケード、商店街向けの防犯カメラ、電子マネー、POSシステムの整備といったハード事業と、空き店舗を活用したチャレンジショップやアンテナショップ、新規イベントといったソフト事業とメニューが幅広いものとなっています。
補助率は「地域商店街活性化法」認定事業では最大2/3、社会課題に二つ以上対応したものが1/2、一つの対応が1/3となっており、補助額は上限5億円、下限100万円で、補助事業者は、商店街振興組合、商工会、商工会議所、事業協同組合、商店街振興組合連合会等のほか、一部の事業については、NPO法人、社会福祉法人のほか、一定の要件を満たした民間事業者の取り組みで、地域商店街等の活性化に寄与するものが広く対象となります。

支援措置2−都道府県及び市区町村による高度化融資

中小企業者がアーケードや駐車場等の共同施設を設置し、経営体質の改善を図る際などに、融資を受けることが出来ます。地域商店街活性化法や中小小売商業振興法の事業計画認定を受けた事業を行う場合は金利が無利子となります。

 

<関連サイト>詳細につきましては中小企業庁ホームページ及び関東経済産業局ホームページでご確認ください。
商業・地域サポート「商業活性化」        中小企業庁商業地域サポートリンク集
関東経済産業局ホームページ

 

2:神奈川県の商店街振興施策について

説明:神奈川県商工労働局産業部商業流通課商業まちづくりグループ

副主幹 鈴木 博明氏

施策〜商店街支援からまちづくり・人づくり・連携促進へ

長澤さんに続いて神奈川県の鈴木さんから、県の商店街振興施策について説明がありました。
神奈川県では、厳しい財政状況の中で、これまでの商業施策の見直しを行っています。
「各商店街から希望を聴いてハード整備中心に予算を計上するスタイルから、町の賑わいづくりを支援するスタイルへ転換したい。また、商店街をもり立て、承継する若手を育成したいと」しています。
また、県内三市が政令市となり、重点区域が県央から県西部郡部へとシフトする中で、県独自の役割も見直されています。「方向性として、(商店街への)基本的支援は市町村であり、(県としては)一つの商店街の要望に応じるだけではなく、地域全体まちづくりにつながる取組みを応援したい。」と地域連携を重視する考えが示されました。そして「来年計画しているところは施設整備単独ではなく。ソフトも併せた事業として考えて欲しい。県側からもアドバイス・支援をしていきたい。」としています。


<関連サイト>
平成22年度 かながわ商業振興施策のご案内
空き店舗を活用した事業に対する補助金を受けるには
商店街競争力強化支援事業費補助金を受けるには
商店街施設整備事業費補助金をうけるには
商店街振興アドバイザーの派遣を受けるには
商店街まちづくり推進モデル事業費補助金を受けるには

かながわの商業振興リンク集

若手商業者連携促進事業

「うちの商店街はウリがない・客も来ない。どうしようもない」といった商店街の相談に、鈴木さんは「朝市」の開催を提案しています。「朝市」は昔からある手法ですが、いわば一周回って、お客さんには新しく感じられるようです。
「通常と同じものを売っているのに、朝市とすると人が沢山来て、なぜか売れる」そうで、楽しく、お金がかからない方法だそうです。「朝市だけで商店街は代わらないが、次のステップに踏み出すきっかけになるのでは?」と鈴木さんは考えます。
また、各地の朝市をネットワーク化を目ざし朝市瓦版、情報交換会、朝市サミットと関連したイベント等を積極的に行っています。
さらに、市町村を越えた取組として、綾瀬・海老名・座間三市の交流から、合同の朝市も開催しているそうです。

<関連サイト>
かながわ朝市ネットワーク
sunsun(さんさん)朝市

 

3:川崎市商業団体等補助制度について

説明:川崎市経済労働局商業観光課

制度説明の最後は川崎市商業観光課職員から川崎市の各制度が紹介されました。

魅力アップ支援事業補助金

「川崎市生活コア商業活性化支援事業」からリニューアル。
改正ポイントは

  • イベント会場でアンケートの回収をお願いし、事業評価を実施しているがアンケート提出が不要
  • 申請の提出書類を大幅削減
  • 広告印刷も対象
  • 販促活動と連携したイベントについても補助対象 

等となります。
対象は、商業活性化と地域振興を目的として実施する研究会・講習会等の事業、地域の課題の解決等を目的として実施する事業、店街の周知・アピール及び商店街の実施している事業の浸透を図るための事業、地域との交流促進や賑わい創出等を目的として実施するイベント事業の大きく四つが対象で、審査会におけるA〜Cのランク分けにより、現状の補助率は、A50%B約20%、C4万〜10万となっています。補助限度はA300万他200万です。なお、「A評価はプレゼンテーションが必要、3年連続Cは翌年支援を行わない等いくつかの条件がありますので、お問い合わせ下さい」とのことでした。

<スケジュール>

  • 事前に配布したエントリート8月27日(金)までに提出
  • 審査シートを12月頃に提出
  • 審査は1月を予定
     

商店街施設整備事業補助金・中小企業組合等共同施設補助金

商店街等の環境整備や協業化の促進のため共同施設設置にかかる費用を支援するもので、
街路灯、アーチ、アーケード、カラー舗装、等の「整備事業」、防犯カメラ、AED等商店街の安全・安心な環境づくりに必要な施設についての「安全・安心事業」等となっており、
「商店街エコ化プロジェクト第二期は現在調整中2分の一の補助率」で検討されているそうです。
このほか、広告フラッグの掲出についてもパンフレットにて説明がありました。

魅力あふれる個店創出事業

意欲とアイデアのある市内の商業者や商業者グループ、商店街団体が実施する事業を支援するもので、新製品、共同ブランド等の開発、また、個店の職人技や地域のお役立ち情報の発信等も対象となります。

地域解決型コミュニティビジネス支援事業

子育てや高齢者対応等地域の課題に対し、商店街とNPO等が連携して解決するコミュニティビジネスの立ち上げを支援するもので、商店街、NPO法人に加え大学等も対象となります。

その他

その他の支援事業として「空き店舗活用・創業支援事業」、「川崎駅周辺商業活性化事業」等が紹介されました。

 

<関連サイト>
かわさきの商業
川崎市商業関係補助金一覧(平成22年度)
かわさきの商業リンク集

3:商店街魅力アップ取り組み事例発表

発表者:ブレーメン通り商店街 理事長  伊藤 博 氏

最後に商店街の魅力アップに積極的に取り組んでいる元住吉ブレーメン通り商店街理事長伊藤さんから事例発表がありました。特別に伊藤さんから寄稿がありましたので、内容をご紹介いたします。

商店街が川崎市から助成率の高い支援を受けようとするならば、まず行政の求めている課題に対してイベントなり商店街事業に積極的に取り入れることが大切です。
これからの商店街運営に環境と高齢化対策は避けて通れないテーマです。
しかしながら商店街は環境団体でも福祉団体でもありません。いかに商店街を活性化させ売れる商店街作りをするかが商店街の運営を託されたものの責務だと思います。
環境も福祉も商店街を売る為のツールにすぎません。
ブレーメン通り商店街はドイツ・ブレーメンのロイドパサージュと友好を結んで来年で20年を迎えます。国際交流は全国の商店街でも例を見ないことですが、ブレーメン通り商店街の繁栄がこの国際交流にあります。この交流から学び取った環境への取組み、商店街事業の多くがブレーメンを取り入れ、それを商店街の繁栄に結び付けてきました。
グリム童話のブレーメンの音楽隊の話は年をとって役に立たなくなった動物達が、力を合わせて泥棒を追い払い幸せに暮らしたお話です。今ブレーメン通り商店街では、高齢者施設に出向いて商品の販売をする出張商店街を実施しています。又お元気な高齢者の皆様には訪問商店街として、商店街にお越し頂き楽しんでいただく事業を展開しています。
ブレーメン通り商店街では国の商店街活性化法の認定を受け高齢者の皆様を受け入れるべく環境整備を行います。
防犯カメラはもちろんのこと、商店街のコミュニティセンターの1Fを活用して高齢者の展示発表の場に改装、また高齢者を活用して街のコンシェルジェとして常駐していただき、さらにトイレのバリアフリー化をはかり車椅子に対応できるように改良いたします。
さらに横断幕の代わりに電光案内板を設置して、高齢者向けのインフォメーションを常時流したりいたします。
現在、ブレーメン通りの出張商店街の実施に伴い、高齢者向けの情報誌プラチナブレスを発行しています。若い女性向け情報誌ブレス共々地域の皆様から大変好評を博しています。商店街でこれほどの情報誌が発行できたことに驚いています。
外注でなく商店街の若手が作りました。ブレーメン通り商店街の若手は元気です。やる気があります。彼らのやる気を大いに伸ばしてゆくつもりです。
現在の川崎市の商店街に対する支援は、東京都の支援と比べて大きな差があります。川崎市ではイベント事業で50パーセントの支援を受けることは大変なことです。しかしながら、東京都では三分の二の支援は当たり前、それも年に複数回の支援を受けられる・・・・
ま〜他所の芝生をうらやんで見ても仕方のないことですが。

商店街運営の さ、し・す・せ・そ

さ・・財布
商店街はお金がなければ何も出来ません。
いかに商店街が財力をつけるか、基本は会費です。安い会費は会員にとっては魅力かもしれませんが、何の事業も出来ません。
きちんとした会費基準の設定、また会費以外の収入を図ることが大切です。
事務局一つ維持できないのが県下の多くの商店街の現状です。
もう3年ほど前になりますが、商店街の加入についての条例が発効しましたが、罰則がない為効果がありません。ブレーメン通り商店街でも大手のチエーン店がなかなか加入して頂けないところがあります。

し・・事務局
商店街事業を行ってゆくには事務局の存在は絶対必要条件です。
事務局がなければ商店街役員に負担がかかる。その為役員のなり手がいない。
しかしながら事務局を維持するには莫大な費用がかかります。それだけの会費を会員の皆さんは負担していただけるのか?
ブレーメン通り商店街はそれを負担してきたから繁栄したのです。

す・・スタッフ
商店街運営を行ってゆくには一人では出来ません。素晴らしい仲間がいてそれぞれが自分たちの責任を果たしてくれています。私が指示しなくても、皆さんが自分のやるべきことをきちんとこなしてくれています。
ブレーメン通り商店街の理事はみんな楽しくやっています。それと皆さんすご〜く才能が有るんです。
“どうせやるなら楽しくやろうよ”これが我々のモットーです。それと若手を育てる事はとても大事なことです。彼らの提案極力取り上げています。
彼らのやる気の芽を絶対に摘んではいけません。
県下の商店街では、青年部の組織がなくなってきました。後継者難、その経営で二世帯が食べられないから勤めに出る。ブレーメン通り商店街では現在23名の青年部員がいます。

せ・・先見の明
先を読む とても大切なことです。環境を商店街事業の中に取り入れたのは今から15年も前になります。今ブレーメン通り商店街は、川崎市の景観形成地区の指定を受け、20年後30年後の子どもたちや孫の為のまちづくりを目指しています。
高齢化社会対応の街づくり、これとても他の商店街に先駆けて将来を見据えて実施しています。

そ・・組織
組織の大切さ、それは商店街運営において欠くべからざるものです。
組織なくして商店街運営は語れません。理事長以下三役並びに各部が構成され、それぞれ責務を果たし、それに事務局が機能して組織が成り立ちます。
それと組織が円滑に動く為に欠かせないのが人の和です。

最後に“どうせやるなら楽しくやろう”です。

 

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