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取材報告TOP | かながわロボットミーティング

第2部 「県内企業におけるロボット関連製品・技術の開発状況と課題」

[テーマ]
県内企業が開発した特徴的なロボット関連製品・技術の概要や開発に当たっての課題、これからの課題等について、各企業が発表を行い、発表者と参加者の意見交換等を通じて、ロボット関連産業への参入やロボットの事業化を促進する。

各企業の発表に先立ち、神奈川県商工労働局産業部新産業振興課 木部グループリーダーが、挨拶と事業の概要説明を行なった。

○発表1 新セルフロック減速機構のご紹介と今後の可能性

(株)庄司歯車エンジニアリング 専務取締役 庄司浩和氏

[内容]
同社の主力製品である新セルフロック減速機構「Shoji-Lock」について、メカニズムの詳細や、カスタマイズした活用事例などを紹介。「Shoji-Lock」は、遊星歯車を採用した減速方法で、太陽光パネルの引き上げ、ドライブライン(車の製造工程)等に使用され、これまで約1,000台が導入されている。会場では50kgの人を載せて、アクチュエータの実演も行なった。今後の活用希望分野として、住宅・建設、医療・福祉、災害対策・メンテナンス分野を挙げた。

○発表2 装置の改造無しで装置自動化を実現

日本電能(株) システムソリューション部 副部長 石川亨氏

[内容]
同社の「Cyber Operator」について解説。半導体製造装置自動化システムの概要、ソフトとハードを紹介した。同製品を導入することで地震災害に強い工場にすることが可能であることを説明した。

○発表3 試作ロボットの制御系開発の共通化概念と具現例

(株)エス・ケー・イー 代表取締役 酒井豊彦氏

[内容]
長年のロボット開発経験から、研究機関とメーカーによる試作ロボット共同開発の流れと、そこで発生する問題点、そのソリューションなどを紹介した。最後に海中ロボット開発の実例を動画を交えて解説した。

○発表4 ロボット応用基礎技術としての、微小アナログ信号の最適化と電力変換技術

(株)A・R・P エレクトロニクスデザイン部 勝治秀行氏

[内容]
同社が持つ高度なアナログ・デジタル信号処理、AD変換処理技術、電力効率化技術などを紹介。総合的な処理技術を有し、ロボット開発(センサ、信号処理系)で同社が出来る事をアピールした。

○発表5 めざせマグマ発電!−ジャパン・エナジーの活用−

サイエンスパーク(株) システム開発カンパニー メカトロ開発センター
西村英伍氏

[内容]
慶応大学・武藤教授と共同で研究をしているマグマを利用した温度差発電についてそのメカニズムを紹介。従来の発電プラント技術が転用でき、マグマ利用の発電量は、新燃岳の場合で原発1.7基分、桜島で5.9基分に相当する。マグマへのヒートパイプ差し込み作業などにロボットの利用を希望している。

その後、会場の参加者や発表者からの質問や意見が活発に行われた。

◆主な内容

(1)サイエンスパーク → エスケーイー

Q. ロボット開発における大学との繋がりはどのように構築したか?
A. 造船関連でのプロジェクトで繋がりが出来た。

(2)参加者 → サイエンスパーク

Q. マグマ発電について、箱根など神奈川県内で実証実験が出来ればと思うがどうか?
A. 箱根での実証実験は現状では出来ない。まずはトンネル等で試し、海外など実験が容易な場所でヒートパイプの実験をやり、それからとなる。国内実証実験は最終的なゴールとして考えたい。

(3)参加者 → エスケーイー

Q. 現在、神奈川県の海岸では砂の流出などがある。海中ロボットをそれらの観測などに使うことが出来れば良いと思うが。
A. 九州大学でも海中ロボットプロジェクトで様々な機器を搭載したいと考えており、海中観測は可能だ。

(4)参加者 → ARP

Q. 脳波のような微弱な信号は拾えて処理出来るのか?
A. 電気信号になるものは何でも処理は出来るが、脳波をうまく認識できるか、信号の特徴を上手く捉えられるかによる。マイクロボルトまでなら測ることは出来る。

(5)サイエンスパーク → 庄司歯車

Q. 「ShojiLock」は精密な制御に使用可能か?バックラッシュなどはあるか?
A. バックラッシュの問題はある。現時点では精密な制御には使用出来ない。

(6)エスケーイー → 庄司歯車

Q. 海中ロボットの浮力装置に使えればと思うが、最小のサイズはどれぐらいか?
A. 現在の生産技術で最小のものは、外径40mm、長さ60mmである。

意見交換の様子

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