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◆2013年度 初夏 企業と機械工学科(神奈川大学)交流会

はじめに、交流会の発案者で責任者でもある山崎徹教授より、本交流会開催の趣旨や狙い、スケジュールなどについて説明がなされた。

神奈川大学機械工学科 教授 山崎徹氏

その後、担当の原村嘉彦教授から、「学外研修」(インターンシップ:大学院科目2単位)について、説明が行われた

神奈川大学機械工学科 教授 原村嘉彦氏

■授業内容

産業界と大学が連携し、開発設計や生産など製造の現場で中核的な役割を果たす統合型実務実践人材を育成するため、産業活動の現場を活用したインターンシップを実施する。座学と実習により、スキル、ノウハウ、最新の知識、および開発現場の安全管理や研究開発のためのプロジェクト遂行の方法などを学ぶ。

なお、履修にあたっては、予め指導教授及び各専攻の運営委員と十分な打ち合わせを行い、受入事業所等が決定し、受入条件等を参考に授業の概要を理解して受講手続きをすること。建築士試験の受験資格要件(大学院における実務経験要件)により履修する者は、別途実施要項を確認すること。

インターンシップの目的を達成できるように、座学で学んだ関連領域における知識の研鑽を日頃より行うことが望ましい。

  1. 指導教員および受入企業との事前打合せ

  2. インターンシップ計画書作成

  3. 受入事業所等の決定

  4. インターンシップ開始

  5. 中間成果報告会

  6. 最終成果報告会

  7. インターンシップ終了

  8. 報告書および実習日誌提出

  9. 成績評価・単位認定

■授業運営

企業等における実習を主とする。実習者は実習内容を日誌としてまとめ、終了後に報告書とともに提出する。実習においては、中間成果報告会、最終成果報告会を行い、いずれも企業側担当者と指導教員が出席するものとする。

■評価方法

実習中の研究等における発表内容・貢献度、実習先による評価および所定の実習報告書提出等により、指導教員が総合的に評価する。

■オフィスアワー

指導教員と企業側担当者が指定する曜日・時間とする。

■到達目標

受講者が、(1)各専門技術分野に関する教育で学んだ一般的な事柄を実習によって身につけること、(2)机上の理論と現実の事象との違いを認識すること、(3)本研修で得た経験を専門知識にフィードバックし、良い技術の創出に結びつけるにはどうしたらよいかを考える能力を獲得すること、(4)企業の研究と大学の研究の違いを知り、企業における研究者に求められる行動や思考方法を身につけることである。

参加企業、支援団体からのプレゼンテーション

続いて、参加企業、支援団体からプレゼン(3分/社)が行われた。

<参加企業>

アグリア、エイシン電機、小川優機製作所、片桐エンジニアリング、静科、JKB、ジェイエムシー、スリーハイ、ゼオシステム、相互電機、トランス・コスモス、ニイガタ、ヒューマノイド、流機エンジニアリング、スペース・オブ・ファイブ

<支援団体>

川崎市産業振興財団、川崎市、神奈川県産業技術センター、神奈川産業振興センター、北原マーケティング研究所、NPOあつぎみらい21、NPOロボティック普及促進センター

参加企業、支援団体プレゼンの様子

講演:「インターンシップ学生の心得」

続いて、NPOあつぎみらい21 理事長 小泉誠二氏が「インターンシップ学生の心得」と題して、講演を行なった。

■要旨

(1)大学のプログラムを通じて企業を学ぶ
・実施前、後に大学指導教員に報告する
(2)長期で経営全体や技術開発が出来る業務を選ぶ
・1週間では仕事や企業は理解できない
・技術開発に限らず、現場業務なども重要
(3)企業を決めるときはあらかじめ企業概要と実施業務を十分に調べ、把握しておく
・自分のインターンシップの目的に合うか
・期待に応えられるか、効果はでるか
(4)企業面接は就職面接の気持ちで挑む
・やる気、熱意が人を動かす
・やりたいこと、自分の強みを棚卸ししておく
(5)実施にあたっては目標の設定、テーマの設定をする
(6)傷害・損害賠償保険への加入
(7)基本的なビジネスマナーを知る
・企業のルールに従う(就業時間、服装、業務の指示・連絡・報告の方法)
・時間厳守
・こまめな連絡、報告、相談
・身だしなみ、上下の関係、挨拶、礼儀作法
・機密情報の取り扱い、機密情報保持契約
・原価・コスト意識を持って行動する(ムダ仕事、資材、時間)
・学生だからという甘えをなくす
・相手に対する感謝の気持ち
(8)常に担当者への報告、連絡、相談を常に心がける
(9)終了にあたり、企業に感謝の気持ちを伝え、今後大学で学ぶべきことを整理する

企業の担当者と学生との相談会

続いて、企業の担当者と学生との相談会(10分×3巡)が行われた。

はじめは遠慮がちであった学生も、担当者の熱心な語りに引き込まれ、次第に自分から意見や質問が出るようになり、非常に打ち解けた雰囲気になっていった。

企業と学生の相談会の様子

参加学生アンケート調査

終了後に実施した、参加学生アンケート調査の主な意見(N=29)

1.参加企業プレゼン及び企業と学生の相談会の中で印象に残った話

  • 各社の技術、製品への興味(全体)

  • 仕事への姿勢(全体)

  • 工学系技術者のコミュニケーション力の重要性(スペース・オブ・ファイブ)

  • 100年先を見据えたロードマップ。自分から方針を打ち出す研究者としての姿勢。物事の本質を掴むことの大切さ。(ヒューマノイド)

  • 3Dプリンタをどのように仕事として使うか、3Dプリンタを使用した商品提供( ジェイエムシー)

  • 起業するために必要なこと。人と人との繋がりの大切さ(アグリア)

  • 今あるものに付加価値をつけ、新たなステップを踏み出そうとする姿勢(静科)

  • 実践が大切(スリーハイ)

  • 好きな事をやっていけば次第に道が開けてくるとの教え(ゼオシステム)

  • 多様にわたる技術者の仕事が出来る点(トランス・コスモス)

  • 社員の話から、社長への愛が強く感じた(ニイガタ)

  • 流体機械の製品紹介とロケット事業の説明(流機エンジニアリング)

  • 社長になった経緯(JKB)

  • 食品のことを考えた機械製作(エイシン電機)

  • 加速器など、高度な製品(片岡エンジニアリング)

2.次回も参加したい理由

  • 企業(特に社長)と話す機会が貴重

  • 様々な方々と交流できる

  • モノづくりについて深く話を聞ける

  • 中々体験できない

  • いろんな方のお話を聞くことにより、物事の新たな考え方が発見でき、勉強になる

  • 企業の仕事内容をもっと詳しく知りたい

  • 自分にはあまり行動力がないので、こういった強制参加型の交流会なら参加することができて、普段では体験できないイベントに触れることができる

懇親会

会場を工作センターに移して、懇親会が行われた。

機械工学科 教授 林憲玉氏(左)

山崎教授は、企業と機械工学科との交流会を今後定期的に開催し、提携と交流を深めていきたいと語った。

日刊工業新聞掲載記事(2013年7月9日)

次回は、「神奈川大学テクノフェスタ」(12月6日)のプレイベントとして、11月に開催を予定している。

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