Jr.ロボット部門-競技規則
第1章 試合の定義
第1条
試合は、試合者(1台のロボットに付き原則として2名以上4名以下でチームを組む。)双方が試合規則(以下「この規則」という。)に従って、定められたリング内において独自に製作したロボット(無線式手動操縦=ラジコン型ロボット〔以下「ロボット」という。〕)を用い、第11章勝敗の定義に基づき、審判の判定によって勝敗を決めるものとする。
第2章 参加資格
第2条
申込者は小学3年生から中学生を含む2名以上4名以下の参加で川崎市以外の地域からの参加も可能とする。ロボットの操縦者は中学生までとする。
※同一人物が複数チームにまたがって応募することはできません。
第3章 リングの規格
第3条
- リングは、一辺190センチメートルの木製板の上に黒色の硬質ゴム(あるいは天然ゴム)を張り合わせた正方形とする。
- リング内の内縁には、幅5センチメートルの区画線(白色線)をひく。
- リング内には、半径95センチ以内の円形の競技フィールド部を設ける。
- 競技フィールド内には、障害物を設置する。
- 中央部には中心点を印す。
第4条
赤及び青コーナーには区画線によりスタートラインを設ける。
第4章 ロボットの規格
第5条
- 外形は、幅21センチメートル、奥行き30センチメートル、高さ60センチメートルの四角形の枠内に収まることとする。ただし、試合開始後ロボット本体、付属部品等が伸縮することは、反則にならないが、本体が複数個に完全分離した形状は反則とする。
さらに、アームの先端が尖っている、またはロボットの構造で針、刃など相手機体及びリング、周囲の者に危害をおよぼすおそれのある形状は、反則とする。形状そのものが安全対策を施している必要がある。 - ロボットの重量は、送信機を除いた機体本体の全備重量で1,500グラム以内とする。
- 外部からのロボットの制御(操縦)については本競技大会実行委員会が規定するコントローラ(送受信機、プロポ)を用いロボット1台に付き1式(1系統)のみ使用可とする。
今大会では、以下の通信方式に対応した、双葉電子工業(株)が販売するラジオコントロールシステムとする。
※双葉電子工業製ATTACK 4WD/4VWD/4GWDは第22回大会から使用不可。1)通信方式:FASST、FASSTest、FHSS、T-FHS(AIR、AIR MONO)、T-FHSS(SR)、S-FHSS、T-FHSS
2)国内電波法令で定めている技術基準に適合している無線機であることを証明するマ-クがついているもの。
(Futabaロゴマークと国内電波法令に適合した無線機である技適マークが付いているプロポのみ使用可。OEM品及び並行輸入品は不可とする。)
- ロボットには移動用の脚機構と攻撃用の腕(アーム)機構を備えるものとし、その主駆動に使用するモータは本競技大会実行委員会が規定する次のものとするが、使用する数量に制限はないものとする。
※ロボットに搭載可能なモータ・アクチュエータは次のとおりとする。- マブチモータ:FA-130、FF-130SH、FC-130、RE-140、RE-260、RC-260
- スタンダードモータ:FP-130C
- 京商:MZ9P、MZW8P、MZW8V
- イーグル模型:HT2BB、BB1モータ、BB2モータ
- S.T.L.JAPAN:誉41YS
- サーボモータ:制限はありません。
※各モータの改造は禁止とする。
- 使用バッテリーについては、リチウム系電池の使用は禁止とする。
第5章 禁止事項
第6条
- 故意に妨害電波等を発生させ、相手のコントロールを乱してはならない。
- 脚裏にリング上を傷つける滑り止め類及び汚す部品等を使用してはならない。
- 液体、粉末及び気体を内蔵した吹き付ける装置をセットしてはならない。また、発火装置は、これを内蔵してはならない。
- 物を飛ばす、投げる等の装置をセットしてはならない。
- 駆動機構に必要な液体、気体等を内蔵することは妨げないが、試合中にこれを補充、交換してはならない。
- 動力源(電源)は試合前の計測時に搭載したもの以外は使用禁止とする。
- この他、相手のロボットを故意に壊す装置をセットしてはならない。
- アーム及び脚構造において、相手機体をネットで絡めたり、覆ったりする行為を禁止とする。
第6章 試合の方法
第7条
- 試合は、予選トーナメント(以下「予選」という。)と決勝トーナメント(以下「決勝」という。)と順位決定戦により行われ、予選・決勝は1試合1ラウンド1本勝負、順位決定戦は1試合3ラウンド3本勝負とする。
- 予選、決勝、順位決定戦とも決められたラウンド内に勝敗が決しないときは、延長戦を行う。
第8条
敗者復活戦を行うこともある。
第7章 試合時間
第9条
試合時間は、予選・決勝においては1ラウンド2分間とし、順位決定戦においては1ラウンド2分間で3ラウンド計6分間とする。延長戦は予選、決勝、順位決定戦とも2分間とする。
第10条
審判員が何らかの判断で試合中止の宣告をし、試合再開までに要した時間は、試合時間とみなさない。
第8章 試合の開始・中止・再開及び終了
第11条
試合は、試合者双方が審判員の指示に従い、リング場外で立礼した後、次項の方法で開始される。
- 審判員が試合者双方にクリスタルを手渡し、もしくは使用chの決定後、「スタート準備計測開始」の合図により1分以内にスタート台の上にその枠内へ収まるように計測時の姿勢でロボットを設置(動作チェックを含むスタート準備が整った姿勢で)するものとする。 なお、クリスタルの故障などにより問題が生じスタート準備ができない場合は直ちに審判員に申し出ることとする。
- 審判員の開始の通告で、コントローラの操作を開始することによって試合が開始される。
第12条
試合は、試合中の審判員の中止の通告で中止し、再開の通告で再開する。
第13条
試合は、審判員の勝敗の宣告で終了する。
第9章 競技フィールド内への入場ついて
第14条
- リング内への入場とは試合開始後スタート台から機体の最後尾が越えた時点とする。
- 試合開始後、入場前のロボットの展開は許可する。
第15条
試合開始後、30秒以内にリングに入場できなければ相手に一本を与えるとする。
第16条
相手への攻撃は相手ロボットの機体が全て円内に入った時点で開始できるものとする。
第10章 修理
第17条
- 修理とは審判員の試合開始の通知後によるロボットの故障及び破損箇所について、これを試合開始の状態と同等に復元することを言う。
- 試合者は、試合中止の宣告から試合再開までの時間、ラウンド間、及びラウンドと延長戦の間に修理を申請することができる。
- 修理に要する時間は申請があった時点から計測し、1試合を通じ試合者双方とも累計各3分間以内とする。
第11章 勝敗の定義
第18条
- 試合は、ラウンド内に相手を倒すか、リング場外部に相手機体を押し出した方に1本を与える。
- 「倒す」「押し出」の判定は審判が行うものとする。
- 押し出しの判定は機体の一部が場外部(白線の外)に接した時点とする。
- 試合時間内に上記により勝敗が決定しない場合は、円内中心部に近いロボットを勝者とする。
- 試合開始時間に遅れた者は、不戦敗とする。
- 戦意無しと見なされる行為(30秒間移動動作を停止)をした場合は、相手に一本を与える。
- ロボットに発煙・発火が生じた場合は、試合の状況をみて審判員は当該試合者に負けを命じ、相手に一本を与えるものとする。
第19条
第7条の3本勝負とは、3ラウンド内に2本先取した者を勝ちとする。
第20条
判定により勝敗を決する場合は、次の各号のもとに判断する。
- 試合中の反則の数。
- 攻撃の優位性による。
- ロボットの動作等の技術力。
- 当該ロボットチームの試合中の態度。
- コイントス。(前1号から4号による判定が困難な場合)
第21条
次の各号の場合は、試合を中止し取り直しとする。
- 双方のロボットが接触した状態で30秒間歩行・走行を停止した場合。ただし、審判の判断により30秒より前に命じることがある。
- 双方のロボットが接触しないままリング上を30秒間停止又は歩行・走行をした場合。ただし、一方が停止状態の場合は、戦意無しと見なし歩行・走行していた方を一本とする。
- 双方のロボットが同時に倒れたり、場外に出た場合。
第12章 反則
第22条
- 試合者が第5条の各項に示す規格を満足しないロボットを作成した場合、また試合に臨んだ場合、及び第6条の各項に示す禁止事項に該当する行為を行った場合は、反則とする。
- 試合者が相手または、審判員の人格を無視するような言動及び当該ロボットに同様な音声発生装置を内蔵したり、文字を書き込んだりすること。
- 第17条第3項の修理時間を過ぎても審判の指示に従わず修理を続けた場合。
- 試合中にリング場内に入ること。ただし、審判員から一本の宣告、中止等の通告を受け当該ロボットをリング場内外に移動する場合を除く。
なお、リング場内に入るとは、試合者の身体の一部が完全にリング場内に入ること、及びリング場内に工具等を入れてロボットを支えることをいう。 - 試合中、正当な理由がなく試合の中止を要請すること。
- 再開時間が30秒を超えること。
- 審判員の試合開始の通告前にロボットの動作を開始させること。
- その他、試合の公正を害すると思われる行為をすること。
第13章 罰則
第23条
- 前条第1項、第2項の反則を犯した試合者は負けとし、審判員は退場(予選時は敗者復活戦なし)を命じる。
- 前条第3項の反則を犯した試合者は負けとし、審判員は失格を命じる。
- 第1項、第2項について審判員は、相手側に1本を、優勝決定戦については2本を与える。
- 前条第4項から第8項の反則行為を犯した場合、1回毎に反則とし2回犯したときは、審判員は相手側に1本を与える。
第24条
第22条第4項から第8項の反則は、1試合を通じて積算する。
第14章 試合中負傷又は事故が生じた場合
第25条
試合者は、試合中に負傷したり、ロボットの事故等のため試合を継続することができなくなった場合は、試合の一時中止を要請することができる
第26条
負傷及び事故によって試合が継続できないときは、その原因が一方の故意及び過失による場合は、その原因を起こした方を負けとし、その原因が明瞭でないときは、試合不能者又は試合の中止を申出た者を負けとする。
第27条
負傷及び事故で試合を継続することの可否判断は、審判員及び大会実行委員の総合判断によるものとし、その処理に要する時間は5分とする。
第28条
第26条の勝者は、予選・決勝の場合1本勝ち、優勝決定戦の場合2本勝ちとして記録される。
第15章 異議申立て
第29条
- 審判員の判定に対し、だれも異議申立てすることはできない。
- この規則の実施に関して疑義がある場合は、その試合終了までに当該ロボットチームのキャプテンは、大会実行委員会に対し異議の申立てすることができる。
第16章 審判旗等の規格
第30条
審判旗は、25センチメートル四方の布地で、直径1.5センチメートル、長さ35センチメートルの柄に取付けたものとし、赤色及び青色の2本を用意する。
第31条
ロボットの標識は、赤コーナーの待機者は赤色、青コーナーの待機者は青色として直径2センチメートルのシールをロボット本体の2カ所に貼付する。
第17章 資格審査
第32条
- 大会募集期間に申し込まれた申込書類に基づき、事前に予選トーナメント参加に関する資格審査を行う。
- 申込者は第2章の参加資格の基準を有する者とする。
- ロボットの資格審査は申込書類により判断する。誤解や疑義が生じることが無いように、ロボットを設計、製作し申込書類を提出することとする。
- 第4章に基づく参加規格を満たしていないと判断するものは資格審査失格となる。
第18章 その他
第33条
試合中の選手席に入れるのはチームに登録されている試合者に限る。
第34条
大会の規模、内容等の改訂事情がある場合には、この規則の精神を損なわない限り、これによらないことができる。
第35条
大会参加者及びその関係者は、大会の基本精神を尊重し、不適当な表現を行わないものとする。
第36条
この試合規則のほか、必要な事項については、第26回かわさきロボット競技大会実行委員会の決議によりこれを定める。