閉じる

川崎元気企業調査報告書(川崎 元気本)
掲載企業紹介

株式会社 グローカルMA

株式会社 グローカルMA 代表取締役 福嶋 信

革新的なAI 技術を活用して、
企業のマーケティングプロセスの自動化を支援する

代表取締役 福嶋 信

事業内容マーケティングオートメーション(MA)等のデータ活用支援事業
企業名株式会社 グローカルMA
創業2005 年(平成17 年)11 月(再起業年月:2021 年(令和3 年)4 月)
所在地川崎市川崎区東田町11-27 メットライフ川崎ビル4 階
電話044-789-8876
従業員15名
代表福嶋 信(フクシマ マコト)
URLhttps://glocalma.jp/

マーケティングオートメーション(MA)をご存知だろうか。企業が行う広報活動には主に外部に依頼する新規顧客獲得の広告と自社の顧客向けに行う自主的な広報活動がある。MA は後者をオートメーション(自動)化するもので、この活動を強化してゆくことで顧客との結びつきを深め、結果として売上増加、業務効率化を図るものである。このMA 活動を先端的なAI 等を活用して支援を行うMA 業界のパイオニアである代表の福嶋社長に設立の経緯や今後の目標を伺った。

教員となり世界を巡り広告代理店の世界へ

AI 等を活用し企業のMA の支援を行うグローカルMAの福嶋社長は地理の教員経験を有する。授業で「フランスは西欧最大の農業国だよ」と教えても自分はフランスに行ったことがない。実体験の伴った教員になるべく職を辞し、北米、欧州、アフリカ等、約50 ケ国を巡り帰国した。

帰国時はバブル崩壊期で、教員募集が皆無で復帰を断念、広告会社に入社する。当時はインターネット普及期で、企業はネットの活用を模索しており、それに関連した広告事業の提案で実績を積み、人脈も広げた。教員とは畑の違う分野だが、世界を巡るバイタリティと自称「好奇心旺盛」な福嶋社長は活躍の場を大手広告代理店へと転職、活躍の場を広げていく。

その後、その大手広告代理店がネット専業の広告代理店を立ち上げる事になり、その創業メンバーに選出、ネット広告黎明期の先陣を切る形でその会社は業容を拡大、福嶋社長は管理職として企業の運営を担うようになる。(その後、同社は上場を果たす)

しかし、会社の成長に反して自身を見返すと成長を感じられず、「自らのチャレンジが必要」との思いが強くなり、2005 年にグローカル・マーケティング(現:グローカルMA)として独立した。

ネット広告からマーケティングオートメーション(MA)へと展開

福嶋社長はネットを活用したビジネス展開に先見の明がある。グローカル・マーケティングはネット広告代理店として活動、自治体のホームページを買い取り、企業広告枠の販売をする等、現在では当たり前の活動を先陣切って行い、ここでも事業は順調に拡大、3 年間経営した所で友人に経営を託し、カナダに移住、こちらでも別の会社を創業した。残念ながら経営を託した会社は休眠状態となった。

そんな折、古巣のネット広告会社から新設の中国法人社長としての就任依頼があり、快諾して上海に赴任、3 名から開始した現地法人を60 名まで成長させ、2016 年に帰国する。帰国後は古巣の関係会社であるネットマーケティング企業で活動を再開したが、既に単なるネット広告は巷にありふれていた。この現状を踏まえ、福嶋社長は、「これからは、ネットを活用し顧客一人ひとりに企業の価値を高める広報手法が求められる時代が到来する」と直感する。

これは、まさしくマーケティングオートメーション(MA)そのものの考え方である。

時代の流れを肌で感じ取った福嶋社長は休眠していた会社を2021 年に再起業し、2022 年にグローカルMAと、企業名にマーケティングオートメーション(MA)を入れ、名称変更する。

現在の業務は「企業のマーケティング」を「オートメーション(自動)化」するツールに、AI 等の革新的技術を活用してより生産性と成果を向上し、企業を支援してゆくことである。

例えば、同社には「件名AI」というMA を補完するツールがある。既存顧客へのメール配信は多くの企業で行われているが、受け取る側が沢山のメールで溢れかえり「メールを開封してもらえない」という問題が常態化し、企業の担当者はメールタイトルに日々頭を悩ませている。件名AIでは顧客『毎』に最適なメール件名を自動作成、その開封率の予測も可能である。適切な件名であれば、顧客にとって有益な情報と認識され、開封をしてもらい、内容のやり取りを通じて顧客との関係性を深化させてゆく事が可能となる。なお、件名AIは既に特許を取得、第138 回かわさき起業家オーディションも受賞している。

マーケティング領域DX 化支援のリーディングカンパニーへと向かってゆく

MA は複雑で、最先端で有るが故、扱える人材が少ないが、同社ではMA に精通した人材を育成しながらも、顧客である大手金融系企業のMA 業務を通じてそのスキルを日々進化させているのが最大の強みである。

昨年9 月に川崎駅近郊に事務所を移転、20 代と30 代が中心の活気のあふれる職場である。

今後は、更なるニーズに基づくMA補完ツールの開発を予定している。現在開発中の商品例としては、訴求したい商品情報を基に最適な本文と画像を作成する「たたき台くん」(仮称)がある。これが完成すると件名のみならず、そのメール内容についてもそれぞれの顧客に最適化した文章、画像をたたき台として生成する事が可能となり、企業担当者の生産性が向上するだけでなく、企業と顧客の結びつきをより深めてゆくことが可能となり、企業のMA が加速する。

今後は、MA を通じて企業のマーケティングDX 化を推進すべく、自社で開発してゆくMA 補完ツールにAI やBI(※)を掛け合わせた最先端のビジネスを更に推進してゆくと語る福嶋社長。
(BI(※):企業などの組織のデータを収集・蓄積・分析・報告することにより経営上などの意思決定に役立てる手法や技術のこと。)

同社では業務拡大が続いており、チャレンジ意欲のある方の応募を要望している。人材育成も行っているため、未経験者でも可能である。

また、MA ツールを導入して顧客との関係性を深めたい企業があればお気軽にご連絡を頂きたいとの事である。無料トライアル等を通じて共に成長してゆきたいと考えている。

様々な経験を通じながら、バイタリティを糧に常に時代の最先端を走ってゆくグローカルMA、福嶋社長の今後の展開に期待したい。

   <左:現在開発中の「たたき台くん」(仮称)・右:昨年9 月に移転した新オフィス>