呼吸筋トレーニングデバイスのエアロフィットプロ2.0とエアロフィットアクティブの日本総代理店
事業内容 | ヘルステックデバイス開発・輸入販売、EC事業コンサルティング |
企業名 | 株式会社 アオイロ |
創業 | 2020年(令和2年)1月 |
所在地 | 川崎市幸区中幸町3-31-2 DAIKYO KENKI KAWASAKI BLDG 9F |
電話 | 044-400-2264 |
従業員 | 2名 |
代表 | 青木 孝哲(アオキ タカノリ) |
URL | https://www.aoiro.co.jp/ |
「宅配ベンチャーの走りだったオイシックスで過去15年間働いていたことから、電子商取引つまりEC関連が強みです。オイシックスは流通業でもあり、通信販売では格闘してきたと自負しています。当社の主要商品は、2021年6月から販売している呼吸筋トレーニングデバイスのエアロフィットです」と青木社長は胸を張る。
北欧デンマーク生まれのエアロフィットプロ2.0とエアロフィットアクティブの2種類を日本総代理店として販売中だ。エアロフィットプロ2.0はスマートフォンアプリと連携して呼吸筋トレーニングを習慣化できる高次元モデル、エアロフィットアクティブは呼吸筋トレーニングの入門モデルだ。
エアロフィットには肺活量の増加やインナーマッスルを鍛える効果がある
「エアロフィットプロ2.0はスマートフォンアプリの呼吸筋トレーニングセッションにより呼吸筋を鍛える機器です。基本的には、息を吸う、吐く、止めるの3つの動きを繰り返すトレーニングで、吸う力や吐く力を数値化できます。個人の目標値に合わせて肺活量が表示されるので、肺活量の増加が期待できます。また、吐く力によりお腹の筋肉がつくことで酸素を吸い込みやすくなり、持久系スポーツの息切れのポイントが伸びます。これは最大酸素摂取量(VO2max)に関係しています。肺活量の外呼吸に対し、VO2maxは内呼吸と呼ばれています。VO2maxは、血液中のヘモグロビンに結合する酸素量を表しています」と青木社長は熱く語る。
元々、自転車に乗るのが好きだった青木社長は自転車に乗るだけでも身体は鍛えられるが、運動生理学を調べて呼吸に行き着いた。呼吸つまり肺活量を鍛える機器を探した結果、日本には無かったが世界にはエアロフィットが存在した。エアロフィットの利用者は、自転車やランニングなどのスポーツ向け50%、日常生活で階段を上る際の息切れ、喘息持ちの人、煙草を吸う人などコロナ禍で肺活量を鍛えたい個人向け50%の比率だ。1日2回わずか5~10分の呼吸筋トレーニングにより、自転車やランニングでは肺活量の増加の効果は明らかで、サッカーやラグビーなど肺活量が既に多い場合には、肺活量を鍛えるというよりは息を吐く時に力を入れるインナーマッスルを鍛える効果がある。
現在、エアロフィットアクティブを日本のOEM(相手先ブランド製造)で作るために、川崎市内の製造業者に相談している。また、呼吸筋トレーニングのスマートフォンアプリにエネルギー消費量や血糖値など体を傷つけずに体の状態を知らせる機能の搭載、運動時のエネルギー消費において炭水化物中心または脂肪中心で動いているか呼気で分かる理論に基づく機能の搭載を検討している。
エアロフィットアクティブ500台をリセーラーとして輸入、半年で売り切る
「オイシックス退職後に自転車事業を2017年1月に立ち上げ、自転車ウェブメディアや室内駐輪場の事業に取り組みました。自転車ウェブメディアは業界最大手のメディアに成長して黒字化を達成しました。特に、動画共有サービスのユーチューブが伸びました。2020年1月に人々の健康に寄与する仕事に取り組みたいと当社を設立しました」と青木社長は当時を振り返る。
高専でソーラーカーを製作してワールドソーラーカーラリーに出場後、大学に進学した青木社長はライフサイエンス分野のプロダクトに着目した。日本に無いが世界にある30製品を候補に挙げ、そのうちマーケットがありそうな3製品に絞った。その1つがエアロフィットだ。デンマークのAirofitA/S社に交渉した2020年には販路もEC通販サイトも無かった。そこで、まずはリセーラーとして少量取引からスタートした。2021年の春に、エアロフィットアクティブ500台を総代理店と同じマージン率で安く仕入れて売り切った。当時、エアロフィットプロ1.0のBluetoothが電波法の規制で国内販売できなかったが、2021年11月にAirofitA/S社と日本総代理店契約を締結した際に、電波法への対応を約束してくれた。エアロフィットプロ2.0を販売開始する2022年6月までの期間を無駄にしたくないとクラウドファンディングに挑戦、応募金額が1,000万円に達した。ヨーロッパでも自転車向けマーケティングを実施していたので、2022年前半は日本でも自転車向け中心に販売した。その結果、ランニング向けも多く販売できたので、2022年後半はランニング向けにチャレンジ中だ。
青木社長はオイシックス時代にEC事業、経営企画、百貨店のEC通販・宅配システム構築などBtoB事業の立ち上げを経験した。オイシックス時代は業務が深夜に及ぶこともあり、当時のオフィスから自転車通勤30分圏内で住居を探して、実家のある大田区からも近い川崎区に決めた。それ以来、20数年川崎区に住んでおり、家族も地域に溶け込んでおり、川崎市で創業するのは自然なことだった。
水泳やトライアスロンなど持久系スポーツとダイエット市場が次なるターゲット
「英語の勉強には苦労しました。海外商品を取り扱うには海外の人とのコミュニケーションが大事です。2020年に心機一転、アウトプットのみと決めて毎日1時間オンライン英会話を1年間続けた結果、英語が話せるようになりました。そこで、海外の人との10回交渉を自分に課して、オンラインマーケティングを実践しました」と青木社長は語る。
ミッションは「科学で人々を幸せに」、ビジョンは「人々の健康と自己実現を科学技術でサポートし、ライフサイエンス分野で世界最高の企業になる」を掲げる。
今後強化したい分野は、エアロフィットのユーザーを現在の自転車やランニングからサッカーやラグビーなどコンタクトスポーツへの拡販だ。経営課題は、呼吸筋トレーニングの認知度向上、国内で自社製品を作るための資金調達だ。エアロフィットはユーザーの声を知る必要があるため、今後も直販中心で取り組む予定だ。
ヘルステックデバイスは科学で証明されており、人々の健康や幸せにつながるので、自社で研究開発したヘルステック製品を日本と世界でビジネス展開する計画だ。エアロフィットの意義を理解し、呼吸が大事であることを実感し、同じ方向を向いている熱意のある人材を常時募集している。ヘルステックデバイスの商品企画・製品開発・マーケティングが得意な協力企業も募集している。
「将来的には、エアロフィットが得意な持久系スポーツの水泳やトライアスロンに拡販します。また、ダイエット市場が狙い目です」と青木社長は未来を見据える。
肺活量や呼気吸気圧力を計測し、パーソナライズ呼吸筋トレーニングを実践できる
「エアロフィットプロ2.0」