軽量で持ち運びが容易なミニピザ窯「石窯mini」で環境問題や地産地消の経済活動への貢献を目指す
代表取締役社長
石原 良太郎
事業内容 | ピザ石窯の製造販売、健康器具・介護器具・太陽光発電設備の販売、営業代行業務、コンサルティング業務 |
企業名 | 株式会社 ロビーム |
創業 | 2017年(平成29年)7月 |
所在地 | 川崎市幸区古市場2-121-15 |
電話 | 044-589-8314 |
FAX | 044-589-8309 |
従業員 | 2名 |
代表 | 石原 良太郎(イシハラ リョウタロウ) |
URL | https://www.robeam.co.jp/ |
「ミニピザ窯「石窯mini」は、ドーム型のデザイン・上部の蓄熱材・遠赤外線の効果を組み合わせた手軽に本格的なピザを七輪で焼き上げる石窯です。少ない煙や迅速な昇温という特徴は、一般家庭やキャンプ場で周囲を気にすることなく使うことができます」と石原社長は胸を張る。
事業内容は、ミニピザ窯「石窯mini」の製造・販売、褥瘡(じょくそう)を予防できる衛生的な車いす用座面「メディマット® アジャストクッション」の開発・販売、太陽光を植物の栽培用途と発電用途で分け合う再生エネルギー促進システム「ソーラーシェアリング3S」の製造・販売、若者と経営者の交流会「ロビーム・ローカルコネクト」の企画・運営、ChatGPT を教えるコンサルティング等だ。
やる気のある高齢者、起業を志す人、才能溢れる若者のための「場」の提供
「定年退職後に医療関係の会社を起業しようとパートナーと準備しましたが、パートナーに騙されて逃げられました。当初はロボット関連の事業を志して起業しましたが、現在は車いす用座面の開発・販売、ソーラーシェアリングの製造・販売、ロビーム・ローカルコネクトの企画・運営などの事業を行っています。事業を通じて、やる気のある高齢者、起業を志す人、才能溢れる若者のための「場」を提供する会社として、2017年7月に設立しました」と石原社長は当時を振り返る。
当社の強みは「人脈」、縁に恵まれて良い糸がつながってきた。学生時代に良い友人やメンターとなる師匠にも出会えた。前職の㈱明治では、薬品営業、花卉事業、アミューズメント施設経営、フィットネスクラブ経営や公共施設の運営、菓子の製造販売を行い、職場の先輩からは基本的な戦略や人間との付き合い方などを教わった。関連会社の㈱明治スポーツプラザと道南食品㈱の社長も務めた。
川崎市に立地した理由は、市内にある前職の社宅に34年間住んでいたためだ。㈱明治スポーツプラザの本社が川崎ソリッドスクエアにあり、その隣に建つマンションを自宅として購入した。起業時に川崎区宮前町に旧事務所を構え、2023年12月に作業場併設の現事務所に移転した。
「第136回かわさき起業家オーディション最終選考会で事業テーマ「移動式無煙『ミニピザ窯』-ピザを焼いて、まちを元気に」にて、かわさきビジネス・アイデアシーズ賞や川崎商工会議所会頭賞など6賞の受賞により新聞などの媒体に掲載された結果、良い人脈が広がり、作業場併設の現事務所も川崎商工会議所の紹介で見つけることができました。自分は、品川のラーメン屋の息子で、子供の頃から接客の場で育ったおかげで営業が上手くいったと思います。人の心の中に突っ込んでいけるし、嘘を付かないから相手に信用されて、仕事の話に発展しました。全て運ですね。それらの経験を活かし、㈱ロビームを楽しい「場」にしたいと考えています。「遊び」と「経験」の要素を活かして「楽しくなければ仕事じゃない」を実現します」と石原社長は力強く語る。
ミニピザ窯「石窯mini」の販売でクラウドファンディングやふるさと納税に挑戦
「ミニピザ窯「石窯mini」を製造できる作業場併設の現事務所に移転しました。作業場と言ってもガレージです。米国アップル社と同じようにガレージから始まった証拠を残すために、ガレージの写真を記念撮影しました。ミニピザ窯の他の商品は鉄製が多く、石窯製の商品が無かったのと移動できる意味でmini を付けて「石窯mini」と名付けました」と石原社長は笑顔で語る。
現在、ミニピザ窯「石窯mini」の量産試作中であり、生産に必要な樹脂製の型枠は3Dプリンターにより完成済みだ。型枠用の金型を外注生産すると数百万円かかるが、石原社長は3Dプリンターによる型枠生産でコスト削減に成功した。今後はクラウドファンディングに挑戦する計画であり、販売目標は100台だ。その後、ふるさと納税やEC通販などにより初年度の売上目標5,000万円を目指す。石窯miniの上部を飾るタイルの貼り付け工程ではB型就労継続支援事業所の協力を得る予定だ。
車いす用座面「メディマット® アジャストクッション」は、小規模事業者持続化補助金を活用して熊本保健科学大学で基礎試験を行って開発した。その後、介護関連の展示会への出展やEC 通販での直接販売を行っている。クッション部分は、理想的な体圧分散構造により褥瘡を予防し、特殊なカバーによりウイルスや細菌の侵入を防ぎ、発汗による水蒸気を外部に拡散し、臀部の湿度を軽減できる。今後は車椅子メーカーに直接販売することや代理店を活用する計画だ。
再生エネルギー促進システム「ソーラーシェアリング3S」は、神奈川県立吉田島高校や東京都立園芸高校などに納入した。直近では千葉県立市原高校に4メートル四方のソーラーシェアリング4台の小さな発電設備を納入する予定で、農場にある温室栽培用ハウス内の扇風機や冷蔵庫などの電気代を賄うことができる。今後も「ソーラーシェアリング3S」を1年に1台のペースで販売する計画だ。
若者と経営者の交流会「ロビーム・ローカルコネクト」は、若者のために上場企業の役員等を招聘して、オンライン講演を聞いた後に質疑応答できる社会貢献活動だ。現職の役員等の考え方や行動基準を直接聞くことができる。今後はロボット関連の30~40代のベンチャーの社長達から依頼されて、中小企業の社長のために、上場企業の社長の講演をリアルで聞く交流会の開催を構想中だ。
今後強化したい分野は「AI(人工知能)とビジネスの融合」と「次世代教育」
「石窯mini」は、発明者のNPO 法人石窯スマイル研究会の桐原眞幸代表理事が取り組む小中学校向けピザ焼きの体験授業を提供する活動に共感して、製造・販売を開始した。「メディマット®アジャストクッション」は、高校の同級生から依頼されて、大学病院の医師等を紹介するなど開発・販売を支援している。「ソーラーシェアリング3S」は、発明者である長島彬氏が代表を務めるCHO 技術研究所へ現地視察に訪れ、その翌週から製造・販売を支援している。資金の不足や人の管理には苦労してきた。
石原社長の信条は「人のため、楽しく、全力で」。当面は、20年書いているブログの映像化、行政の指定管理者の受託に取り組む予定だ。今後強化したい分野は「AI (人工知能)とビジネスの融合」や「次世代教育」だ。AI により事務部門の仕事が減少して、営業や製造部門への人事異動が必要になる。そこで、上場企業関連社でコンサルティングを始めた。
また、次世代教育は、神奈川県のデュアルシステム授業という長期のインターンシップを県立商工高校や県立向の岡工業高校で実施しており、川崎市立東小倉小学校でSDGs 講義も担当した。そこで、今後も次世代教育を通した社会貢献を目指す計画だ。