株式会社 しむら

益子焼の販売から健康・美容の時代ニーズに合わせたオイル化粧品や染毛料の企画製造販売に進出

 

 

 

 

 

代表取締役 川﨑 雅美(右)

専務取締役 川﨑 光(左)

事業内容 白髪染め、スキンケア・ヘアケア用オイル、口腔ケア製品等製造販売
企業名 株式会社 しむら
創業 1988年(昭和63年)
所在地 本社: 川崎市宮前区馬絹6-20-1           アーユルヴェーダ ヨーガ スタジオ: 川崎市宮前区宮崎2-11-1
電話 044-855-2271
従業員 10名
代表 川﨑 雅代(カワサキ マサヨ)
URL https://www.simura.com/

「国産ヘナを使用した白髪染めの製品化に専務とチャレンジしました。開発に3年かかり2019年春から販売を開始しました」と語る川﨑社長はいつも笑顔だ。

主要製品は、ゴマ油の美容オイル「セサミピュアオイル」、インド産ヘナの白髪染め「マダムヘナ」、国産ヘナの白髪染め「美ら艶」、口腔ケアオイル「PKオイルスプレー」、洗口液「セサミオイルプリング」、ハーブシードオイル「アムラオイル」、ベビー用オイル「ハピネスママ」などだ。

ゴマ油を使った化粧品ブランド「シムシムジャパン」を立ち上げる

「先祖は江戸時代に厚木にて久保の油屋として財を成したものの明治時代の農地改革で土地を没収されました。祖母が薬剤師として、横浜市で『しむら元気堂調剤薬局』を開業、現在は、従兄弟が引き継いで、高知県にて営業しています。当社は、母が1988年に川崎市で益子焼の陶磁器販売業として会社を設立しました。創業は1972年で私が小学校2年生の時でした。創意工夫で世の中のニーズに応える発想力とチャレンジ精神が当社の強みです」と川﨑社長は力強く語る。

長年取引している生活クラブ生協をはじめ、現在の取引先からも当社の強みが評価されている。特に、沖縄の国産ヘナを使った白髪染め「美ら艶」の開発により、カタログハウス社の信頼を獲得したことは特筆すべきことである。なお、この「美ら艶」はカタログハウス社との共同開発で誕生した商品であり、「通販生活」のみでの販売となっている。

現在は、専務と二人のダブルコア体制で経営しているが、以前は女性のみの職場で女性目線の女性脳の考え方と感性中心の発想力で経営してきた。専務の入社をきっかけに男性脳の考え方も取り入れ、物流拠点の開設や輸出入ビジネスへの参入など業務の拡大を図ることに成功している。

「当社は社歴が長く、山あり谷あり、多くの困難がありました。生活クラブ生協のみだった取引先はここ2~3年の間にカタログハウスやドラッグストアなど新規のお客様が増えました。化粧品だけでなく、川崎発の食用ゴマ油の販売も視野に入れています。現状維持の守りの姿勢ではなく、攻めの姿勢で前進することでしか会社を守れないと思っています。また、時代の流れを掴むことも大切であると学びました」と川﨑専務は熱く語る。

川﨑専務が小学校2年生だった1998年に川﨑社長は当社に入社した。きっかけは当時専務だった川﨑社長の兄が退職して経営が大変になったためだ。当時会長だった父から母を助けて欲しいと言われ「両親の役に立ちたい」と陶磁器販売業を継ぐことを決意した。10人いた従業員は経理1人になり、川﨑社長は「高齢者向け介護用食器」や「乳児向け離乳食用食器」を企画販売して、楽天市場のカテゴリーランキングで1位を取得、上位常連店となった。しかし、100円ショップの台頭など次の事業の柱を考える必要に迫られた川﨑社長は実家の墓参りに行った際に墓石に油屋と彫ってあるのを見る。また、当時のヒット商品が「ゴマのすり鉢」だったことからゴマ油に着目して調べると、古代インドの伝承医学「アーユルヴェーダ」ではゴマ油を治療に使っていることが分かった。その発祥の地、スリランカにすぐに飛び、「アーユルヴェーダ」の研修を受けると、今後は少子高齢化社会で健康・美容の時代が来ると考え、ゴマ油「セサミオイル」を使ったオイル化粧品ブランド「シムシムジャパン」を2007年に立ち上げた。

毎年10月1日はしむら感謝の日として助けてくれた恩人に花を贈っている

「大学卒業後は演劇やイベント業に従事していたこともあり、生活クラブ生協・神奈川の会員数5万人突破イベントの企画を任されました。それを機に生活クラブとの取引も、神奈川だけでなく、東京、埼玉と広がっていきました。陶磁器から化粧品への事業転換を図る中、それぞれの生活クラブ生協にマッサージオイルの企画を提案すると、通常は難しい品目の転換も、アイデアの面白さと商品の質の良さ、そして、これまでの信頼関係により受け入れて頂けたのです」と川﨑社長は当時を振り返る。

「シムシムジャパン」のシムシムは社名の「しむら」が由来で、ヒンディー語では一歩一歩を意味する。アラビア語ではセサミの語源である。「イフタフヤー!シムシム!」は開けゴマという意味だ。川﨑社長は書籍「10歳若返る魅惑のアーユルヴェーダオイル美容メソッド」を執筆した。この本をきっかけにテレビ通販でセサミオイルをベースに複数のハーブをブレンドした「シムシムヘッドマッサージオイル」が大ヒットし、売り上げに貢献した。そこで、オイルだけでなく、より植物・ハーブの研究を行うべく再びインドに渡り、出会ったのがインド発祥の植物で天然の染色成分を持つ「ヘナ」だった。

川﨑社長は「若い頃は夢を思い描けば何でも出来ると思っていました。でも、会社を事業承継して、人間はこれしかないと思わないと本気になれないことに気付きました」と言う。会社の将来を寝る間を惜しんで考え続けた。5年前には陶磁器販売事業から撤退して、オイル化粧品事業に集中することを決断した。

「これまでの苦労を忘れないように毎年10月1日はしむら恩人感謝の日として当時助けてくれた人に花を贈っています」と川﨑専務は語る。

心と体の健康を目的に五感を癒す「シロダーラ」のサービス提供を開始 

経営理念は「発想力・誠意・継続力」だ。人真似でない面白い商品をあきらめずに真心を込めて作り続けて、一人でも多くのお客様に喜んで使い続けて頂くことを事業目標としている。

今後は、心と体の健康に取り組む。「アーユルヴェーダ」の自然の摂理に沿った未病対策や若返りに関する情報を発信する専用サイトを制作する計画だ。年に1度は知人の別荘を借りて従業員にヨーガを体験させており、将来的には従業員の福利厚生も充実させる予定だ。

「心と体の健康を目的に五感を癒やす“シロダーラ”のサービス提供を開始しました。女性のセラピストが起業家として活躍できるフランチャイズチェーン展開を目指します。また、当社ヘナ白髪染めを取り扱う既存の小売店や美容サロンの販売促進を支援する計画です。そのために競合他社の製品ラインにない手頃な価格のヘナ商品を開発して、専門の販売会社を設立する予定となっています。ヘナの研究に熱心な美容師との出会いもあり、アンテナショップとなる直営サロンを再来年には出店する計画です」と語る川﨑社長は新たな企画を次々と創出する。

「頭皮ケアや口腔ケア製品を医療機関向けに販売する予定です。そのために口腔ケア関連の学会に参加して歯科医師との情報交換を開始しました。ドラッグストアでもオーラルケア用品の売り上げが伸びており、口腔ケアオイル“PKオイルスプレー”では国内市場シェアNo.1を目指します」と語る川﨑専務はやる気に満ち溢れている。

当社のスキンケア・ヘッドケア商品

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