株式会社 丸紘

「一刷毛入魂」の揺るぎない自信と
技術が織りなす西洋左官のトップ企業


代表取締役 光宗一城
事業内容 西洋左官・塗装工事等
企業名 株式会社 丸紘
創業 1971年(昭和46年)6月
所在地 川崎市高津区新作6-2-61
電話 044-863-2167
FAX 044-863-2168
従業員 22名
代表 光宗 一城(ミツムネ カズキ)
URL https://marukoh1971.co.jp/

「西洋左官」をご存知だろうか。「左官」という言葉を聞くと壁等に使用される日本漆喰を思い浮かべるかもしれない。「西洋左官」とは、イタリア発祥の伝統塗装技術である。多種多様なデザイン性を持ち、特に模様のパターンは無限大で、ランダムなテクスチャーの表現は、時には大理石、ある時はコンクリート、壁掛けアートにも感じられる特殊塗装技術の事である。

武蔵新城駅から少し離れた場所にお洒落な外観で彩られたショールームを兼ね備えた社屋に全国各地の高級店の内装等を「西洋左官」によって施工する丸紘は所在している。

「誠心、誠意の責任施工」を創業時からの経営理念として掲げ、「西洋左官」を更に発展させていく思いを持つ同社の光宗社長にこれまでの展開と今後の抱負を伺った。

一般塗装からの展開:「西洋左官」技術をイタリアから取得する

丸紘は、1971年に世田谷で創業した。現在の社長の光宗氏は三代目にあたる。創業者、二代目、光宗氏ともに血縁関係は無い。光宗氏は愛媛県出身で大学生の時に愛媛県人が入居する寮に入っていた。創業者、二代目ともに愛媛県出身で同郷の入寮者である現社長が丸紘でアルバイトをしたのがきっかけである。卒業後は、建設関係の営業職についたものの二代目社長に入社を請われ丸紘に入社した。

元々は一般塗装として創業した丸紘であるが、「西洋左官」の素晴らしさを目にした二代目社長が約30年前に新規事業として取り組んだのがその始まりである。当時は日本に「西洋左官」の技術は皆無で現地イタリアに職人を派遣する等して試行錯誤して技術を取得した。

その後、「西洋左官」が出来る事業者も少なかった当時、西洋左官が出来る塗装業者がいることが評判を呼び、西洋左官を内装で多用する欧州のブランドショップの日本店舗の施工に採用される等して、信頼を積み重ね、国内外のブランドショップのみならず高級ホテル等に採用され業容を拡大させていった。

川崎の地に移転したのは、二代目の時代である。現在の近郊地で数回場所を変え、8年前に光宗氏が代表取締役に就任、6年前にショールームを兼ね備えた在地に移転した。

どんなに厳しい顧客の要求/ニーズにも応えててゆく

丸紘の顧客は建築設計事務所等であるが、エンドユーザーは全国各地の国内外のブランドショップや高級ホテル等であり、それぞれのコンセプトイメージを商品/サービス以外も活用して表現する事が重要視される。その結果、内装に対する要求も大変高度なものとなる。例えば、海外企業の日本店であれば、「本国と全く同一色模様の内装」、「海の引波を連想させる模様」、「落ち着けて高級感がある内装」等、具体的ではあるが難解な要望、時には感覚的な要求もあるが、その意図を汲み要望を具現化するサンプル塗装を作成し、要望に応えている。今では、他で出来ずに丸紘に相談が持ち込まれるケースも多いとの事である。

「西洋左官」は順風満帆に展開したのではなく、幾度の困難を乗り越えてきた。施工場所の照明、気候によって環境も異なり、その現場環境を事前にイメージ出来ず仕上がり印象が異なってしまった事、また、ある時には、施工場所の気温や湿度が川崎と異なり、施工した西洋左官が一夜にして剥がれ落ちたこともあった。このような長年克服してきた試練や課題をノウハウに変え、丸紘の西洋左官の施工技術、表現力を更に高めている。「顧客のどんな要望でも応えていく。」と光宗氏は語る。

丸紘では施工の際、ヘラやコテだけでなく、スポンジや布等、顧客のイメージを体現出来る道具は何でも使う。また、顧客毎のカルテを作り、いつ何時でも同じ風合いで施工が出来る。かわさきマイスターを持った施工職人がいるのも強みであるが、職人の感覚だけでなく、再現性も大事にしている。

「一刷毛入魂」の技術と人財を未来につなげてゆく

「誠心、誠意の責任施工」を経営理念として2021年に丸紘は創業50年周年を迎えた。
日々持ち込まれる難しい顧客ニーズに応えている事が同社の施工技術を向上させ、その積み重ねが西洋左官に対する揺るぎない技術に自信とプライドを与えている。

まさに「一刷毛入魂」である。

技術だけでなく、かわさきSDGsゴールドパートナー、かながわ再エネ電力利用事業者に認定されるとともに、写真ニュース掲示板を地域の小中学校に寄贈等し、環境や地域貢献にも気を配り、地元川崎を大切にしている。

丸紘の強みは職人の技術力であるが、それを続けてゆくために最も大切なのは、人材の育成であると光宗氏は考えている。

これまでは先輩職人の技術を見て覚えていたが、時代に合せ、「人材」を「人財」として捉え、新規社員には培われた施工技術の教育を施し、高度な技術を身に着けていってもらい成長していってもらう。社内組織も整備し、業績評価システムの策定を始め、ユニフォーム、ヘラやコテにもオリジナル化を行う等して全体のイメージづくりや働きやすい環境づくりにも邁進してゆく予定である。

また、「西洋左官」技術そのものを日本に広める事も大事であると考えており、他社に海外から仕入れた塗料の販売等を行っており、今後は「西洋左官」の技術や素晴らしさをSNS等を活用してを発信してゆき更に多くの方々に「西洋左官」を知って欲しいと考えている。

丸紘の仕事は、「自分の想像力やイメージが活かせ、自分の施工した店舗等の現場が有名店で多くの目に触れる事が出来る素晴らしい仕事であり一緒に働く人財を求めています。」と光宗氏は語る。

「一刷毛入魂」の「技術」と「人財」を未来につなげてゆく丸紘の今後に期待したい。

丸紘の西洋左官の施工例と施工現場例

川崎市産業振興会館
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