スペースリンク 株式会社

大容量・急速充電・安全性・長寿命・低コスト 究極の蓄電池「グリーンキャパシタ」が社会を変える

 

 

 

 

 

代表取締役CEO 阿部 晃城

事業内容 次世代蓄電デバイス、高精度測位システム(GNSS)の開発など
企業名 スペースリンク株式会社
創業 2004年(平成16年)5月
所在地 川崎市幸区新川崎7-7 AIRBIC A21号室
電話 044-272-7736
従業員 10名
代表 阿部 晃城(アベ アキクニ)
URL https://www.spacelinkltd.jp/

現在、蓄電池として主力のリチウムイオン電池は、約500回の充電で25%の劣化や発火の危険性がある。次世代蓄電として開発が進んでいる全固体電池も有毒ガス発生の可能性を排除出来ない等の問題を抱えている。一方、スマートフォン、電気自動車、ソーラーパネルでの自宅での蓄電、利用を始め電池をこれまで以上に急速充電し、大容量で使用するニーズは急速に普及している。

「当社が開発したグリーンキャパシタが普及すれば、これまでの蓄電池の弱点を全て解決し、社会生活が向上します」と代表の阿部氏は語る。

人工衛星開発から生まれた会社

スペースリンクは、2004年に藤沢市で設立された。創業者は、現取締役CTOの阿部俊雄氏である。俊雄氏は、前職で人工衛星の開発に携わってきた。

創業当初は、俊雄氏が研究開発を始めたばかりの段階で販売できる製品は未だ無かった。

その後、もう一本の柱である人工衛星用GPS受信機開発も平行して進めていた。人工衛星用GPS受信機は、通常のGPS受信機と異なり、X線や放射線、真空や過酷な温度変化の高度な宇宙対策技術が求められる。

その後、小型衛星用GPS受信機の開発を進め、低予算の大学・大学院や宇宙ベンチャー企業向けのベーシックなGPS受信機製造販売した。

その実績を契機とし、宇宙機器開発大手からも人工衛星用GPS受信機や小型光通信機の開発依頼が入るようになる。

衛星用GPS基軸とし、開発補助金等を獲得しながら研究開発を進め、会社の運営を行ってきたその頃、俊雄氏が体調を崩した。

その頃、俊雄氏は、創業以来、研究開発、営業、財務管理等を1人で行っていた。

現代表の晃城氏はその当時、不動産関連の会社に勤務していた。父を見舞い、社に戻り、経緯を上司に話したところ、すぐに家業を手伝うように、と背中を押してくれた。

幼い頃から、父の背中を見て、具体な内容は分からぬものの、研究開発という分野に深く惹かれていた自分がいた。そして、2010年に晃城氏はスペースリンクに入社した。「技術的な言葉が多く、理解が出来なかった。開発も何を行っているのか分からなかった。」と晃城氏は語る。

その後、同社の研究開発に必要な高度な技術知識を取得し、技術開発も行いながら、事業運営全般を担い、2019年に代表取締役CEOに就任した。

同時期に、川崎市のインキュベーションセンターである「AIRBIC」(川崎市幸区)に入居し、本社を藤沢市から川崎市に移転した。協業先が近郊に所在すること、開発環境の向上や加速化、人材確保等がその理由である。

苦難の連続「グリーンキャパシタ」の開発がついに実る

人工衛星用GPS受信機に加え、現在、同社が主力で開発を行っているのはCNTを活用した「グリーンキャパシタ」である。「グリーンキャパシタ」は同社が独自に命名した製品名であり、一般的には「キャパシタ」は、「コンデンサ」とも呼ばれており、旧来から製品は存在する。

電気を蓄えたり、放出したりする電子部品であり、円筒形等の大小問わず電子部品が多く見られ、民生品、産業用問わず電気機器の基板上に実装されている。

電池は化学反応を行い充放電するため、次第に劣化してゆくが、キャパシタは、物理的にイオンを吸脱着し、化学反応無しに超急速充放電を行えるため、劣化せず、発火の危険は無い。しかしながら、キャパシタの弱点は貯められる電気容量が非常に少ないため、既存蓄電池の代替とは考えられてこなかった。

キャパシタの電極にCNTとグラフェンを特殊な方法で活用する開発に開発を重ね、試作を幾度と無く繰り返し、既存のキャパシタ対比でエネルギー密度(単位重量あたりの蓄電容量)が5〜10倍となる100Wh/kgを実現し、既存蓄電池の代替えとなり得るスペックを2018年に達成した。現状の開発では、更なる性能向上を果たしている。

「創業当時からグリーンキャパシタの完成まで約15年かかりました。普通の会社ならやめていたでしょう。思った結果が出ず、1,000回、いや、2,000回と数限りなく、開発、試行を繰り返しました。」晃城氏は語る。

他社でもキャパシタの大容量化開発を行ってはいるもの、同社のように長期間キャパシタの大容量化の研究開発を行っている企業は無い。

キャパシタを知り尽くした会社、それがスペースリンクの強みである。

現在のグリーンキャパシタのスペックは1万回の充電で約3%の劣化、数分間での充電完了、大容量化への対応可能、不燃材を利用しているため発火の危険性は無い。劣化も皆無であるので、取替コストも削減でき、結果として、環境にも優しい。

現在は、量産化に向けての生産技術の開発を行っている。近いうちにグリーンキャパシタが市場に出回ることになるであろう。

革新的な電池で、人類の未来に革新を。

同社はこれまでも多くの評価を得ている。例えば、2018年には、経済産業省のベンチャー支援プログラム「J-Startup」の特待生企業への認定、神奈川県の「かながわアクセラレーション・プログラム」への選定、2019年には同じく経済産業省の「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」に採択されている。あわせて、近年ではベンチャーキャピタル、キャパシタ量産時での協業先である加賀電子等からの出資を受け、開発・事業化を急激に加速化させている。

蓄電池のニーズは、スマートフォンやウェアラブル端末等の小型のものから、電気自動車、ドローン、家庭用蓄電池等、工場倉庫内の搬送機器等の広範囲のニーズが存在する。

量産化の際は、まずは、社会実装しやすい機器からの導入を予定している。

「革新的な電池で、人類の未来に革新を。」をコンセプトに事業を推進している同社の目標は社名同様、宇宙の様に広く大きい。

超高性能蓄電池「グリーンキャパシタ」

川崎市産業振興会館
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