株式会社 NATOM

電子・電気機器の安全適合試験、評価試験及び信頼性試験で世界一の民間工業試験所を目指す

NATOM 代表写真
社長 下川 七十六
事業内容 電気機器・部品の安全規格認証取得の申請代行、評価試験、各種相談
企業名 株式会社 NATOM
創業 2006年(平成18年)10月
所在地 川崎市川崎区東扇島6‐10 かわさきファズ 管理棟
電話 044‐287‐1005
代表 下川 七十六 (シモカワ ナトム)
URL http://www.natom.co.jp

「当社は、海外や国内の安全規格認証取得に向けて、情報機器、事務機器、測定機器などの安全性を火災、感電、やけど、電磁波障害など様々な観点から評価試験しています」と下川社長は語る。
現在、電気機器や電気部品の安全規格認証取得の申請代行事業、規格に基づいた評価試験及び信頼性試験サービスの提供事業、規格と製品の適合性を評価する様々なサービスを提供する各種相談事業を展開する。

国際規格に基づく電子・電気機器・部品適合性試験認証制度IECEEの公認試験所

「当社は、IEC(国際電気標準会議)が作成する国際規格に基づく電子・電気機器・部品適合性試験認証制度であるIECEEのCBTL(公認試験所)です。CBとは認証母体、TLは試験所を意味し、IECEE加盟機関である各国の電子・電気機器の国内認証機関(NCB)からの依頼により、電気機器の安全性試験を行う試験所で、CBレポートなど証明書の発行を支援します。加盟各国の認証機関の認証を取得する際は、IEC規格との相違点を評価するだけで当該認証マークを取得できるので、費用と時間の大幅な削減が可能になります」と下川社長は胸を張る。
昭和39年、鹿児島県立頴娃高等学校電気科を卒業した下川社長は電源機器メーカーに就職し、営業を担当していた。昭和51年、ネミック・ラムダ㈱(現TDKラムダ㈱)の営業と してヘッドハンティングされた。従来方式のドロッパー電源は納期が3カ月も必要で、お客様から納期短縮の要望を受けていた。その会社の当時の社長から新方式のスイッチング電源を「納期1日でお客様に提供できる販売方法を考えなさい」という宿題を課された。下川社長は大手電機メーカーから受注した仕様書のある電源機器を販売する経験しかなかったので、当時の技術部長と共に、経済、歴史、マーケティングを徹底的に勉強した。その結果、『製品在庫を持って商売する』という新たな発想を持っていた社長の意(おもい)に基づき、在庫販売を実現した。また、毎日1人5件の顧客を訪問するという目標を立てて営業チームを引っ張った。特に、通信機器市場ではスイッチング電源への切り替えが遅れていた。そこで、機器装置の要である電源機器を各国の電気機器の安全規格認証試験であるUL(米国)、CSA(カナダ)、TUV Rheinland(ドイツ)などに適合することで機器装置本体の評価試験負担を軽減できることに気付いた下川社長は、通信機器市場を席巻した。その結果、通信機器、半導体製造装置、医療機器、FA(ファクトリーオートメーション)機器、計測機器、アミューズメント機器等の各市場を開拓し、取引先数は2,700社に達した。
電子・電気機器の安全規格認証はパワーサプライつまり電源機器に大きな比重がかかり、当時から取引先より安全規格認証取得のコンサルティングを要望されていたので、コンサルティング兼試験所を立ち上げるに至った。

創業当初は商社機能に徹し、市場拡大後にメーカー機能の試験所を展開する

当社の強みは、以下4つである。①創業者である下川社長が電気・電子機器の装置には必ず搭載される電源機器の業界で32年間働き、安全規格認証の申請顧客に広い人脈があった。②安全規格の試験においては電源機器が最重要部品であり、最終製品に搭載される電源機器が認定品であれば最終製品の評価・試験が大幅に軽減される。③日本は輸出工業国であり、世界に流通させる製品には世界標準の安全規格に基づいた認証や証明書が必要であり、世界経済の変動に大きく左右されない業界であった。④IECEEの公認試験所としてIEC60950(IT機器)、IEC61010(計測機器)、IEC60601(医療機器)の範囲を獲得し、更にUL(米国)から認められUL60950(IT機器)、UL508(産業制御機器)のDAP(顧客評価データ活用プログラム)ラボになっており、小回りが更に発揮できる様になり、信用も増大した。
当社が成功した理由は、以下4つである。①創業当初は商社機能に徹し、受注した商談は業務提携先に発注し、試験の為の初期設備投資金額を抑えて市場拡大に徹した。②創業3年目から人材採用に踏み切り、商社機能からメーカー機能の試験所に変身させ、外注比率を大幅に下げた。人材募集は経験者を重点的に採用した。③IECEEのTC108委員会に入会させて戴き、安全規格の変動情報を迅速かつ的確に入手できるようになった。④問題解決者として徹底した短納期対応及び小回りの利くサービスに徹した。その為、合い言葉を『才能の差は小さいが行動の差は大きい、継続の差はさらに大きい』に、ヒューマンスキル(人間力)とテクニカルスキル(技術力)向上の社員研修をやり続けた。
川崎市に立地した理由は、社員を採用し、試験所に変身することを決意した時に、川崎ファズの当時の社長様に出会い、「是非、川崎ファズのテナントに電気試験所を入居させたい」と誘われたのがきっかけだ。「人のご縁と言うより他に言いようがないです。これまで最も苦労したことは、資金繰りです。この問題を乗り越えられたのも人脈のお蔭です。友人のアドバイス及び川崎信用金庫様のご指導とご支援により創業5年目には何とか順調に資金繰りが出来るようになりました」と下川社長は語る。

医療機器分野の安全規格評価試験技術と日本国内PSEライセンスの取得

企業理念は「NATOMの経営の基本は人(社員)です。人それぞれの掛算の人生の集合体がここNATOM(会社)にあります。個性豊かな人が集まり、助け合い、励まし合ってこそ、その力が結集されて目的を達成することが出来ます。それは、お客様や認証機関の方々、協力会社の皆様とのご縁により、さらに大きな力となる事は云うまでもありません。掛算の人生の大きな要素である『慈悲の心』『感謝の心』を思い、当社の玄関には、様々な石が悠久の時を経て結合してできたさざれ石が飾られています。人には無限の可能性があります。企業にも無限の可能性があります。NATOMにもまた無限の可能性があります。ATOMは原子、これは分けることのできない個を指します。Nは自然数全体の集合、数学で使われる不特定の数値を意味する記号であることからNは無限とも置き換えられます。社名のNATOMとは、個性豊かな個の社員が集まり、新市場開拓や新技術修得に無限の力を発揮する可能性があることを表しています。知育・徳育・体育を真剣に考えて取り組み、エクセレントな会社を目指します」を掲げる。
今後は、医療機器分野の安全規格評価技術と試験技術の修得と市場開拓、日本国内PSE(電気用品安全法に基づく製品安全検査)のライセンス取得と市場開拓を強化する計画である。
「近い将来、NATOMレポートがデファクトスタンダード(事実上の標準)となれるように人と設備を強化し続けます。その為にも足元を固め中期経営計画に基づき、着実に売上を伸ばし、利益を確保しなければなりません」と語る下川社長は未来に目を向ける。

川崎市産業振興会館
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