有限会社 マーク

名刺管理システムで特許取得 ICT SolutionとDTP Solutionで1000社以上の顧客を持つIT系企業

代表取締役 細木雅嘉

事業内容 ICTコンサルティング、システム開発・運用、自社製品開発、グラフィックデザイン、オンデマンド印刷
企業名 有限会社 マーク
創業 1996年(平成8年)5月
所在地 川崎市幸区大宮町14番地201
電話 044-511-8311
従業員 5名
代表 細木 雅嘉(ホソキ マサヨシ)
URL http://markinc.jp/

当社は豊富なICT関連業務の経験と国際的な人脈を持つIT系企業で、独自考案した名刺管理システムの特許を保有しており、国内外の企業からも注目されている。最近では、米国LEANPLUM社の日本正規代理店に登録されたり、日産自動車からのライセンスを受けて「Nissan Meishi Collection」も商品展開した。今回、代表取締役の細木雅嘉氏に事業内容、今後のビジョンを聞いた。

米国LEANPLUM社の日本正規代理店 名刺管理システムを特許登録 「フルカラー名刺工房Nissan Meishi Collection」商品化            

売上の8割がシステム開発やICTコンサルティングなどのICT Solutionで、2割が名刺等グラフィックデザインを中心としたDTP Solutionであるが、注力中のビジネスを細木社長に伺った。1つ目は米国LEANPLUM社との連携ビジネスである。アプリビジネスにおいてはアプリユーザー獲得後の囲い込みのため、分析と改善施策を行うことが重要である。LEANPLUM社は、元グーグルのエンジニアが2012年にシリコンバレーで設立した企業で、アプリユーザー獲得後の分析と改善施策を継続的に行うモバイルアプリのマーケティングプラットフォームをクラウドシステムに展開しており、当社は日本で三番目の正規代理店になった。他の正規代理店は、電通や三井物産など大手ばかりなので、細木社長の国際的な人脈は相当なものである。

2つ目は名刺管理システムのビジネスである。一言で言うと「名刺のIoT」である。当社が特許をとった名刺管理システムは、QRコードを活用し顧客情報・営業情報・社員情報をセキュリティ確保したシステムで一元管理でき、使う人によって表示を変えるレコメンデーションの仕組みを持ち、印刷までカバーしている。こういった仕組みは他に無いので、米国や日本の大手企業から注目されており、事業化準備を進めている。

細木社長は「名刺ビジネスで、もう一つキラーコンテンツが欲しかった。」と語る。会社の名刺を渡したくない人が多いことに以前から目をつけていたが、車好きのビジネスマンからプライベートの名刺に自分の車を印刷したいというニーズを寄せられた細木社長は、2017年7月の「かわさき知的財産シンポジウム」にて日産自動車と面談した。その後、日産車デジタルアーカイブのライセンス契約を締結し、GT-RやフェアレディZを中心に「Nissan Meishi Collection」を2018年12月に発売した。順次車種を増やしてとのことなので、「フルカラー名刺工房Nissan Meishi Collection」サイトにアクセスされたい。

フルカラー名刺工房【日産名刺コレクション・Nissan Meishi Collection】日産自動車株式会社オフィシャルライセンス品
「歴代GT-R / フェアレディZ」の名車を名刺に印刷いたします。日産の名車を愛する皆様、パーソナル名刺を作ってみませんか?

音楽の道から一転、夫婦二人三脚で有限会社 マークを起業    

細木社長は1972年(昭和47年)に北海道で生まれたが、「本当は音楽の道に進みたかった。」と意外な話があった。ユーフォニアム(金管楽器の一種)を8年間担当し、中学・高校時代には全道大会に出場したこともあった。本人は音楽の道で身を立てたいと思っていたが、親の猛反対にあって日本工学院で情報処理技術を専門的に学び、1993年(平成5年)に上京してソフトウエア会社に就職した。会社ではシステム開発の仕事を担当し、富士通やNTTの関連会社に出向していた。ところが、1日に16時間以上もCRTディスプレイに向き合って仕事を続けてきたため、VDT症候群となり視力が2.0から0.1まで落ちて、結局会社も退職してしまった。この頃に助けてくれた同僚の女性が現在の奥様であり、仕事上のパートナーでもある。

その後、デザイン事務所に転職し、勤めているうちに眼の症状も回復したが、その間にマッキントッシュを使ったグラフィックデザインやホームページ制作、印刷物などの経験を積んだ。ある日、現マサチューセッツ工科大学メディアラボ所長で実業家の伊藤穣一氏が若かりし頃「インターネットの未来が来る。」といった雑誌連載記事を1994年に読んで感銘を受け、自分の知識と経験を活かすために起業しようと決意する。

1996年(平成8年)5月に、奥様と二人で川崎市の日進町に立ち上げた会社の名前は「マーク」。社名の由来は社長と奥様の名前のイニシャルを組み合わせたものだ。ホームページを10ページ作る仕事が100万円になった時代であったが、デザインの仕事がきっかけで名刺ビジネスを始めた。奥様と美大卒の仲間と協力して1000以上の名刺パターンを作り、顧客がPCからパターンを選んで名刺発注できる日本で初めての名刺通販サイトを立ち上げた。名刺ビジネスはホームページ制作より単価は安いが、多くの固定客を獲得できる一方、印刷品質の良い印刷機などの設備投資はかなりの額になったそうだ。

企業理念は「年輪経営の実践」「技術の研磨」「クローズドネットワーク構築・運用」

斬新なアイデアと豊富な人脈で数々のビジネスを手がけてきた細木社長であるが、30歳の時にeコマースのショッピングカートシステムを共同経営の子会社で作っていた。その時は世界で3例しかないシステムを作ったということでベンチャーキャピタルも注目しており、細木社長自身も「インターネットバブルで少々天狗になっていた。」と振り返る。ところが、ハッカーにDOS攻撃された結果、子会社を潰してしまった。この時の反省で、ネットワークエンジニアとしての研修を受け、データセンターで5年間修行の末、ネットワーク脆弱性の強化を図ることになったのである。

最後に、マークとしての企業理念を伺った。「年輪経営」「技術の研磨」「クローズドネットワーク(人・モノ・金・時間・情報)構築・運用」の3つである。「年輪経営」とは、あまり突飛なことはやらず、じっくりと大きく経営をしていくこと。「技術の研磨」とは、IT企業として技術をしっかりと持ち続けるということ。「クローズドネットワーク構築・運用」とは、信頼できるパートナーや取引先と仕事を行うということ。いずれも細木社長の20年以上に渡る事業経験から生み出した経営理念である。IT企業として、今後グローバルに成長していくマークが楽しみである。

当社コンテンツ「Nissan Meishi Collection」

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