株式会社 アップ総合企画

空調設備で培った空気の流れを最大限に活かした新型薪ストーブ  ~Dream Fire~

代表取締役 田中勇人
事業内容 空調設備工事・ビルメンテナンス事業等
企業名 株式会社 アップ総合企画
創業 創業:1990年(平成2年)4月            法人化:1992年(平成4年)8月
所在地 川崎市川崎区元木2-5-16
電話 044-328-1162
従業員 13名
代表 田中 勇人(タナカ ハヤト)
URL https://up1.co.jp

「薪ストーブ」と聞いてどのようなイメージを抱くだろうか。薪ストーブの炎に憧れはあるが、別荘やロッジしか置けない、煙が出る、大きく重い、設置工事が大変等の印象ではないだろうか。

アップ総合企画が開発した薪ストーブ~Dream Fire~は、軽量で持ち運びが可能で煙も少ない等、旧来の薪ストーブの弱点を克服した製品であり、同社の主業である空調設備工事のノウハウが十二分に活用されており災害時の活用も可能であるとしている。

「喜ばれることを喜びに」を経営理念に据え、これまでも多くの事業開発に取り組んできたという同社の田中社長にこれまでの展開と今後の抱負を伺った

主業は空調設備工事やビルメンテナンス事業

アップ総合企画は、1990年に川崎市で創業した。創業者は現在代表の田中氏である。

創業前、田中氏は建築設計事務所に勤務していた。元々独立志向であり、出来れば早いうちにと、25歳で創業した。当初は建築設計事務所を興すつもりであったが、当時の日本経済はバブル崩壊後の不況の真っ只中、新規の建築需要は皆無であった。ふと設計に携わったビルの中を覗いてみると、ビルメンテナンスが行われていた。不況であってもビルメンテナンスには堅実な需要がある事に気づき、設計事務所に顧客を紹介してもらう等して、ビルメンテナンス業で市内の自宅事務所、個人事業として創業した。

誠実な業務が評価され、2年後には法人化し、同時期にビルネンテナンスに併せてダクト清掃の依頼を頂いた。ダクト清掃事業を立ち上げた同社は業容を拡大すべくダクト清掃工事の許認可や官公庁の入札資格を取得した。この入札資格取得により、ダクト清掃以外にも、官民問わず、空調工事全般の事業に同社は進展していった。現在では公共事業の割合は約20%となっている。

順調に事業を拡大し、現在に至るように思われる同社であるが、「まずはやってみようの精神とお客様のニーズに応え、喜ばれようとの思いでこれまで複数の事業も立ち上げたが頓挫した事業もある。」と自嘲気味に田中氏は語る。例えば光触媒のコート剤等を取り扱ったが、時代が早すぎ思うような結果にはならなかった、との事である。(しかしながら、近年再び注目を浴び、多くの問い合せが来ている。)

現在は、ビルメンテナンス、空調工事、電気・防水工事、アスベスト対策工事等に加え、知り合いの会社から引き継いた土木・景観資材の卸販売も行っている。

新型薪ストーブ~Dram Fire~誕生のきっかけ

空調工事は空調設備を単に設置すれば良いのでは無い。事前に現場の状況を把握・検討し、いかに効率よく配管を設置し空気を通りを良くするかが重要な要素であり、それによって工事の出来も変わり、その結果、空調設備の能力を最大限に発揮する事が可能となる。長年、空調工事に携わってきた田中氏はこのノウハウがどこかで活用出来るのではと考えていた。偶然にも同時期に昔からの憧れであった薪ストーブを調べていると、非常に大型で重く、設置には耐熱、耐重量の為の大がかりな工事が必要で一旦設置したら移動する事はほぼ不可能で有ることが分かった。併せて、最大の難点は炎が安定化するまで白い煙が長時間排出される事であった。

「“空気の流れ”を熟知した空調設備屋の知識が活かせる」と思いついた。

新型薪ストーブ~Dram Fire~誕生のきっかけである。

同社が開発した薪ストーブは、足の部分から空気を取り入れ燃焼室内で独自開発した配管を設置することで「三次燃焼」を行い素早い着火と燃焼開始時に排出される煙を最小化した特許取得技術である。併せて従来製品の半分以下の38kgの軽量とする事で床材の補強も不要、持ち運びが出来る仕様となっている。併せて、価格も一般製品の半額程度とし、オプションで湯沸かしタンク等も有り、電力不要で炎を照明とし、天板での調理、熱による衣類乾燥等の災害時の活用も可能となっている。

「薪ストーブのオーロラ状の火が燃えていると、自然に人が集まってくる。」と田中氏は語る。製作には川崎市内の知り合いの製造業者に協力を頂き2021年3月に発売を開始した。

今後は、市内での間伐材を薪として活用できれば市内での環境循環に繋がると考えている。

オール川崎を目指して、その思いと夢を載せDream Fireと命名した。

経営理念は「喜ばれる事を喜びに」

「設備工事が中心なので、社員が最大の財産です。人材の採用や育成は思うようにいかないこともあり、当社のような中小企業にとって非常に大きな課題です。」と田中氏。

同社の経営理念は、

私達は、『喜ばれることを喜びに』人を尊重し、豊かな未来と夢を創造します

である。

毎月の給料日には社長からのメッセージを送り、社員が豊かに生活できる具体的な売上や利益の数値目標を掲げ一体感を醸成し、全社一丸となっての企業の成長を図っている。

今後の展開については、

「あるようで無かった、お客様が困っている事やサービスを立ち上げ世の中に貢献してゆきたい。」

との意向との事で今後も様々なニーズを汲み取り新たな事業開発が行われる事と思われる。

新型薪スーブ~Dram Fire~のコンセプト

「火が燃えていると自然と人が集まってくる」はビルメンテナンスをから始まり様々な事業展開を図り、人材を大切にしながら今日まで成長してきたアップ総合企画のこれまでの道筋そのものを具現化した商品であると感じた。

これからも同社の更なる事業展開に期待したい。

新型薪ストーブ ~ Dream Fire ~

川崎市産業振興会館
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