株式会社 高尚エンジニアリング

安定した社内体制の構築を目指し、若い世代へ業界・会社の魅力を発信していく


代表取締役 村田忠尚
事業内容 空調設備、給排水衛生設備、生産付帯設備、電気・計装設備の設計施工・管理
企業名 株式会社 高尚エンジニアリング
創業 1998年(平成10年)9月
所在地 川崎市中原区宮内2丁目5番2号
電話 044-741-3300
従業員 14名
代表 村田 忠尚(ムラタ タダナオ)
URL http://www.koshoeng.co.jp//

食品・薬品・化学品などの様々な工場で生産設備が稼働する現場では、温湿度はもちろん、機械が上手く働くための水や気流の温度管理など環境の構築が非常に重要だ。熱風炉・ボイラー、冷風・冷却水装置、あるいは空調設備など現場に必要な設備の設計・導入から施工・メンテナンスまでを一貫して行っているのが当社である。平成10年の創業から現在に至るまで、当社では常にお客様と一緒に考え、実行し、臨機応変な対応をすることでお客様のニーズに応えてきた。

思いがけないことからの起業とお客様からの信頼を獲得してきた当社の姿勢

今から20数年前、当時村田社長の勤める会社が突如バブル崩壊の影響を受けて倒産してしまう。取引先にご迷惑をおかけしてしまうことの挨拶周りをしていたところ、多くのお客様から「会社を立ち上げるなら応援したい」との言葉を次々にいただいた。そこで、当時の部下数名らを連れて、取引先も多かったエリアである川崎市で創業することとなる。

お客様から応援していただいていたとはいえ、当時は代表も社員も自らの食い扶持を探しながらの必死に顧客の開拓をしてきた。当時村田社長は30代、一緒に付いてきてくれた社員も20代と皆若く、また、遠方出張やタイトなスケジュールでも苦にせず働いて様々なことを吸収できたことが当社の基礎となっているという。

創業から今までに苦労という苦労はないと話す村田社長だが、それでも取引先の要望に最大限に応えるためにいくつもの難題にぶつかってきた。

例えば、あるお菓子メーカーの工場に大型機械を設置するという仕事を請けた当社。大変短い工期で、かつ、搬入する機械のサイズからそのままでは工場の入り口から搬入ができないという状況だった。そこで当社は設置する工場側も思いがけない方法で搬入することとなる。なんと工場の屋根を切断して、屋根の上から搬入したのだった。

他にも、2011年の東日本大震災時、大船渡の復興における魚の加工処理工場の立ち上げでは、取引先からの依頼で海外から輸入する超大型の機械を設置することとなった当社。機械が入ってきた港からは、陸上で最大級ともいわれる200tのレッカー車で運びこまざるを得なかったが、震災後の周辺状況もあって大変な苦労をされたようだ。

こういった様々なハードルを乗り越えながらも、“計画から設計・施工・メンテナンスまでを一貫して行う”という当社の方針を忠実に行ってきた。お客様から“依頼された通りに、図面の通りに”ではなく、施工した設備や装置がきちんと稼働するまでを当社の仕事として行い、いかにお客様のパフォーマンスを維持・向上させるかを大事にしてお客様の信頼を得てきた。

お客様のパフォーマンスを最大化する当社の取組

そんな当社では現在あらゆるものの見える化に取り組んでいる。2次元CADや3次元CADを活用し、工事の内容を取引先にわかりやすくすることはもちろん、施工性や品質の向上のため施工するもののプレ加工化といったものや、中には各現場の進捗や工事原価、支払状況の情報なども併せた出退勤管理機能をもたせた稼働表といったものもある。実はこの稼働表、現場を重視する代表が自らエクセルにマクロを組んで作ったというものである。これによって、各現場担当者がリモートワークをしていても、業務の進捗や社員の稼働状況が一見してわかるようになったという。因みに、この稼働表は代表がこれに満足せず、よりよいシステムを導入したいとシステム業者にも相談した際には、これ以上のものは必要ないのではないか?と言われる程のものとのこと。

こういった見える化の取組によりお客様のパフォーマンの最大化に努めているが、当社の取組はこれらに留まらない。例えば、ある大手の空調設備のメンテンナンスまで任されているが、その数700台にものぼるという。お客様側も当社もどこの設備が現場で直ぐに位置がわかり、管理履歴も簡単に参照することができるようなシステムも作っていきたいという。

安定した社内体制の構築のための人材・組織の強化

様々な人によって創業・支えられてきた当社は、社内においても人材を重視し、社員教育といったことにも表れている。業務上マストの資格である施工管理技士や電気工事士いったものはもちろん、様々な資格取得を奨励しており、全社員の資格は延べ何十種類にもおよぶ。また、例えば、バルブに関する知識が必要な場合、バルブ専門のメーカーの研修も希望する社員が受講できるようにもなっている。こういった資格取得や研修等の受講を奨励している会社は世の中多くあるが、人材重視の当社には珍しい制度がある。それは3年前から始めた“煙草を吸わない手当”や、月に一度BMI値を計り、標準値であれば出る手当や、あるいは健康診断の判定結果が良いことによって出る手当といったユニークなものだ。こういったユニークな制度も実は見える化の取組の一環でもとのことだが、なにより当社が「社員の人間力」と「健康力」の強化を課題としているからだ。

村田社長はこう語る。「仕事における知識だけでなく、知識以上に深く考えることや柔軟な発想、思いやりの心、人との関係性、また業務や教育といった会社でのことに留まらず、登山やサイクリングなどのスポーツの体験、美術館や演劇鑑賞など文化芸術なども触れてほしい、社内外で様々なことを経験して心身を健康・豊かにしてほしい」。

こういった村田社長の想いは当社理念である“社員の継続的な教育の機会を作ること”や、“安心で安全な職場環境を築き、健康企業を継続させる”ことに反映されているのだろう。

また、村田社長は「会社は公の財産であり、社長も社員もすべての関係者の為につくし、そのために考え行動すべき。」とも語る。

今後人材をさらに増やして組織を強化し、社内外関係者の皆が安心できるように安定した体制を構築しきたいと考えている。そのためにも、若い世代にきちんとした建設・工事業界のイメージや魅力、生活の安心感を伝えていきたい。一昨年には商工会議所とも連携し、地元商業化の高校生を受け入れ、社員と変わらない業務を体験させるようなインターンシップも行ったとのこと。

遠くない将来、当社が業界のモデル企業の1つとなっている様子が思い浮かぶようだ。 3次元CADを積極的に用いて設計を行う。

川崎市産業振興会館
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