株式会社 ロボット科学教育

子供の好奇心を惹き出すカリキュラムで画期的な科学教育を展開する

ロボット科学教育 代表写真
社長 鴨志田 英樹
事業内容 科学を学ぶ教育プログラムやテキスト等の開発と製作、CREFUSの運営ほか
企業名 株式会社 ロボット科学教育
創業 2003年(平成15年)6月
所在地 〒215-0021 川崎市麻生区上麻生1-3-4WAKAビル4階
電話 044-959-1161
FAX 044-966-0507
従業員 13名
代表 代表取締役社長 鴨志田 英樹 (カモシダ ヒデキ)
資本金 4,000万円
URL http://www.crefus.com/

川崎市麻生区に本部を置く株式会社 ロボット科学教育は、小学校低学年から高校生までを対象に、画期的な科学教育で活発に事業を展開している教育サービス企業である。ロボット製作などのユニークなカリキュラムを通して、子供たちの好奇心を引き出すことに重点を置いた教育方法は、教室に通う生徒たちの保護者からも熱烈な支持を得ている。その事業はどのように進められてきたのか、社長の鴨志田英樹氏は語る。

好奇心が学習効果を支える原体験

「私自身が小さい頃から科学知識に触れるのが好きで、ラジカセを分解したり組み立てたり、いろいろやっていたんです」と語る鴨志田社長の起業動機のルーツは、自分自身の子供時代にまで遡ると言う。「私が学生の頃というのは、ものをつくるための部品を海外から取り寄せる以外に方法がないことが多い時代でした。しかも今では考えられないくらいの手間と費用が掛かる。それで大学では英文科を専攻して、そういうやりとりを自分で出来るようになってやろう、技術のほうは独学でもやれる、と思ったんです。後になって“それは逆だった”と気付いたのですが」と鴨志田社長は笑顔を見せる。
「ところが英文科の講義は、純文学作品を読んだり、ラテン語の授業があったり。でもこちらは全く興味がないので理解できない。自分の好きな技術雑誌などであれば、難しいスラングだらけの英語であっても分かるようになるのにですよ」と語る鴨志田氏は、自分が好奇心を向けられないことには、知識も身につけられないということを痛感したと言う。
大学を卒業後、鴨志田氏は大手の学習塾で教鞭を執り、塾講師としての経験を積んだ。そこでは、生徒の理解不足を相手のせいにせず、自分の授業のやり方が至らないからではないかと思い、改善に取り組むプロ意識が身についたという。「保護者面談では親御さんが『うちの子は出来が悪くて申し訳ありません』とおっしゃったりしますが、本当は月謝を頂いているこちらが申し訳なく思うべきことです。ですから、授業には工夫を積み重ねました。子供であっても、こちらが本気で向き合うと彼らもちゃんとそれに応えようとする、そのことも分かりました」。その後、鴨志田氏は専門学校のゲームクリエイター教育や、IT技術者の実務教育など様々な教育事業に関わった。ゲーム業界やIT業界にカリスマと呼ばれるような人物が登場した時代のこと、そこで鴨志田氏が見たものは、参考書など開けたこともないと言う勉強嫌いの生徒達が「自分も彼らのようになりたい」と、分厚い専門書を片手に頑張る姿であった。その時も鴨志田氏は思った。「人は自分が好きなことであれば頑張れる、目標を持つと人は変わる」。

「自分の子供にさせたい勉強をここで教えます」

やがて、鴨志田氏自身の子供の成長とともに“我が子にはこういう教育をしたい”というイメージが膨らんでいったと言う。「こういう題材を使ったら、子供たちが理解しやすいのでは?という風に教材を自作していきました。特に子供たちの好奇心を引き出す道具としてロボットを使うということを考えたのですが、当時勤めていた会社では、『鴨志田はロボットなんかで何をやろうっていうんだ?』と懐疑的でしたね。ひとまず単発でやってみようということで、ダイレクトメールを撒いて生徒を募集しました」。すると大反響を呼び、翌日から受付の電話のベルが鳴り止まなかった。
大人気を集めたパイロット教室の成功は、鴨志田氏が独立起業する後押しとなった。「2003年に当社を創業しましたが、その最初の頃に教室に通っていた生徒が大学受験に挑む年齢になりました。先日はその一人が、『社会の役に立つ技術を開発するために、自分は東京工業大学を受験します』と力強く宣言してくれました」と鴨志田社長は嬉しそうに語る。
理数系離れが深刻な問題になっているが、その背景にあるのは“難しい公式や数式は生きていくために必要ない”という声だ。しかし鴨志田社長の考えは違う。科学は人類が未来を平和・安全・便利に生きるために必要な学問であり、その意味を、低学年のうちから感じ取ってもらい、興味を持ってもらうことが重要と鴨志田社長は考える。その延長線上に自らの進路を見つけ、そこに辿り着くために公式や数式の勉強が必要になれば、人は自ら勉強をするようになる。意味のない公式や数式が、意味を持つものに変わるのだ。 create(創造)、future(未来)、science(科学)の頭文字から「crefus(クレファス)」と名づけられた教室は、鴨志田氏自身の子供も卒業生だ。「やはり自分の子供に受けさせたいと思えるような教育でなければ、他所の子供には教えられません」と鴨志田社長は言う。

科学技術立国としての日本の将来を支える人材を育てたい

実際に「クレファス」の教材を目にすると、ロボットを軸として広い分野に子供たちの好奇心をつなげていこうとする工夫があちこちに見て取れる。「学校の科目分類から見ると、理科だけでなく社会も混じっている、ということになるのかも知れませんが、私の考えではどれも全部、『サイエンス』なんです。だから、一緒の教材にいろいろ入れています。まだ小学校一年生の子供さんでも、ちゃんと疑問を投げかければ、地球温暖化や資源リサイクルなど、自分なりに問題意識を持っていることが分かります。その問題意識を持ったまま大人になって、世界で活躍する人材に育ってほしい」というのが鴨志田社長の夢だ。教材を製作するスタッフにも、これで学んだ子供たちが将来どういう活躍ができるようになるか、イメージを持って開発するように指示している。
保護者からは、「クレファスに通っているうちに我が子が変わった」という声が届く。「カリキュラムではモノづくりに基づく問題解決能力の育成、知的好奇心や探究心、論理的思考力や表現力の育成を目指しています。ペーパーテストであれば隣を見ることはカンニング。しかし“モノづくり”の世界では他人の真似から始まります。分からないことは一緒に考えて教え合う、そうやって社交性、協調性、リーダーシップや表現力を学んでいきます」。ロボット作りの体験から失敗や工夫を繰り返すことで失敗を恐れない、他人の失敗を笑わない子供になると言う。 「現在、クレファスは全国でフランチャイズ展開をしていますが、そのときもロボット科学教育の理念に共鳴してくれるフランチャイズ契約相手に厳選しています。収益優先の相手とは、契約をしません。クレファスでは、科学技術立国日本の将来を担って、平和な世界で社会の発展に貢献する人材を育てたいと思っていますから」と鴨志田社長は力強く語った。

川崎市産業振興会館
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